2019年夏 甲子園レポート7
2019/08/12|Category:テレビ・動画観戦
大会四日目・第二試合 飯山 VS 仙台育英
仙台育英の先発は、笹倉 世凪(1年)左腕。176/76 だが、仙台育英に過去にもいたような、ちょっとぽっちゃり気味な体格。球速は140キロ前後出ており、ボールにも力がある。変化球もスライダー・チェンジアップを織り交ぜ、投球もある程度洗練されていた。気になるのは、ボールが高めに集まりやすいこと。それでも順調に伸びてゆけば,2年後はドラフト候補に入ってくるような投手に育ちそうな楽しみな選手だった。ちなみにこの選手、打撃にも好いものを持っていそうだった。
派手さはないが、2番手の 大栄 陽斗(仙台育英3年)右腕も好投手。球速は常時140キロ前後(MAX143キロ)ぐらいだが、球威のあるボールを投げ込んでくる。ボールゾーンに切れ込むスライダーを上手く振らせたり、チェンジアップ・緩いカーブなどがあるオーソドックスなタスタイル。コントロールが良く、大学などでも重宝されそうなタイプ。大学などで出力が上がると、制球力・投球術もしっかりしているので、大勝ちできるかもしれない。
飯山の 常田 唯斗(2年)右腕は、130キロ台後半~MAX144キロには高い将来性が感じられた。まだ下半身の粘りがもう一つなので、打者の手元までの勢いが物足りなかったり、スライダーが甘く入る部分は気になる。それでも順調に成長してゆけば、秋以降ドラフト候補としてマークされるはず。凄みを増してゆけば、高校からのプロ入りも意識できる好素材だった。
仙台育英では、1番を打つ 中里 光貴(3年)二塁手の走力が光った。打撃もシュアなだけに、大学などでも異彩を放つかもしれない。その他3番手で登板した 伊藤 樹(1年)右腕は、オーソドックスなフォームから140キロ前後の速球やスライダーなどを織り交ぜ、すでに一定レベルに達している好投手。佐藤由規 も下級生の頃はこんな感じだったので、彼を150キロ右腕に育てたノウハウがハマれば2年後は楽しみ。また最後に投げた 鈴木 千尋(3年)右腕は、140キロ台(MAX143キロ)の球威のある球でガンガン押してくる馬力型。こちらも大学などで野球を続け、先輩の馬場 皐輔(仙台大-阪神)のような存在に育っていって欲しい。
笹倉 世凪(仙台育英1年)投手 176/76 左/左
大栄 陽斗(仙台育英3年)投手 175/75 右/左
中里 光貴(仙台育英3年)二塁 171/63 右/左
伊藤 樹 (仙台育英1年)投手 175/72 右/右
鈴木 千尋(仙台育英3年)投手 174/75 右/右
常田 唯斗(飯山高校2年)投手 181/72 右/右
大会四日目・第三試合 習志野 VS 沖縄尚学
沖縄尚学の2番手・永山 蒼(2年)右腕は、135~140キロぐらいながら力のあるボールを投げ込んでくる。変化球は、スライダー・フォーク・カーブと一通りあり、来年に向けて縦の変化に磨きがかかってくると面白い。コントロール・投球術もそれなりで、総合力は持っている。来年には、沖縄を代表する投手に育っているかもしれない。
一方の 飯塚 脩人(習志野3年)右腕は、選抜の準優勝の経験を経てピンチでも動じずに自分のピッチングができるようになってきた。無理をしなくても140キロ台中盤を叩き出せるようになり、マウンドでの余計な力みも見られない。速球とスライダーという単調で一辺倒な投手との印象が昨秋は強かったが、今やスライダーに加えチェンジアップを多く織り交ぜ、ときにはフォークなども投げるようになって幅が出てきている。大学進学が基本線だろうが、プロ志望届けを提出しても中位~下位ぐらいでならば指名されても不思議ではない。何より評価できるのは、精神面の強さ・安定感にあると言っても過言ではない。この部分では、今年の候補でも最上位クラスの選手ではないのだろうか。
野手では核弾頭の 角田 勇斗(習志野2年)遊撃手が、来年のドラフト候補。試合ではエラーもしていたが、安定感抜群の遊撃守備はドラフト級。気になるのは、右打席から4.45秒前後(左打者換算で4.2秒前後に相当)と平凡なのと、打撃がドラフト候補としては弱い点だろうか。ヘッドスピードは鋭いだけに、何処まで甘い球を逃さない「鋭さ」を来年までに磨きをかけるかに注目したい。
沖縄尚学でも、5番の 崔 哲瑋(2年)左翼手の、ヘッドスピードの鋭さには目を惹くものがあった。台湾からの留学生で、一塁までの塁間も右打席から4.4秒前後(左打者換算で4.15秒前後に相当)するなど、脚力も基準レベル。左翼を守る守備が新チーム以後、センターやライトあたりでアピールできるようになると資質が高そうなだけに面白い。いずれにして来年は、沖縄を代表する強打者には育ってゆきそうだ。
守備では、兼子 将太朗(習志野3年)捕手などは、ディフェンス力で大学で野球を続けられそうな選手。また 水谷 留佳(沖縄尚学3年)二塁手などは、ヒットこそ1本に留まったが打撃の才能に可能性を感じさせてくれた。いずれにしても、上のレベルでも気に留めたい選手たちだった。
永山 蒼 (沖縄尚学2年)投手 177/81 右/右
崔 哲瑋 (沖縄尚学2年)左翼 177/73 右/右
水谷 留佳(沖縄尚学3年)二塁 176/77 右/左
飯塚 脩人(習志野3年)投手 181/78 右/左
角田 勇斗(習志野2年)遊撃 174/68 右/右
兼子将太朗(習志野3年)捕手 182/80 右/右
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