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2019年夏 甲子園レポート10


大会六日目・第一試合 作新学院 VS 筑陽学園

筑陽学園は、神宮大会・選抜・春季九州大会・夏の選手権と、ことごとく大舞台で結果を残してきた強豪チーム。そのエースに成長したのが、西舘 昂汰(3年)右腕。恵まれた体格を生かした右の本格派で、球速は135~140キロ台前半ぐらい。外角一杯にカットボール気味の球を投げたり、内角の厳しいところで詰まらせることができる制球力があり、ボールが常に外に外にと微妙に動く。そのため生で見ると、イマイチボールが手元まで来ている感じがしないのはそのせいか? 変化球は、主にスライダー中心に織り交ぜてくる。この投手が好いのは、ピンチでも平常心で投げ続けられる精神面。個人的には大学に行ってからの方がという印象を受けているが、プロ志望届けを提出した場合に、育成あたりでの指名があっても不思議ではない。それだけ、秘めたるスペックは高そうなので。

むしろ高校からプロとなると、進藤 勇也(3年)捕手の方が現実的か。安定したキャッチングを軸に、リード・フットワーク・地肩と総合力に優れている。内角を積極的に突く大胆さに加え、試合後半にストレート中心の配球に変えるなど一試合トータルでリードできる。打っても6番だが資質は高く、チームでは最も頼れる打者といった感じで結果を残す。少々スローイングの際に腕が横から出たり体勢が崩れるなど安定感には欠けるが、1.9秒前後の送球で適度に刺せる肩がある。派手さはないが実力は確かで、下位指名~育成あたりならば高校からの指名がありそうな素材。

中村 敢晴(2年)遊撃手は、兄・宜聖(ソフトバンク)・父は日本文理大監督というサラブレッドで、攻守にまだ荒削りだがポテンシャルが高い。身体能力が高く強肩・俊足にパンチ力を秘めた打撃は、来年のドラフト候補。あとは何処まで、走攻守の確実性を高めて行けるかではないのだろうか。

作新学院では、1番を打っていた 福田 真夢(3年)左翼手が、大和(DeNA)のようなスイングが印象的。柔らかいバッティングをする選手で、それでいてパンチ力も秘めている。試合では左翼だったが、背番号は8。ワンバウンドするような打球を、スライディングしてアウトにしていた。延長で出塁すると、緊迫する場面でも臆することなく二盗塁・三盗を決めて魅せた野球センスも光った。また4番の 石井 巧(3年)遊撃手は、一成(早大-日ハム)内野手を兄に持つ。対応力が高く、パンチ力も秘めた好打者。遊撃手としても球際に強く、堅実で安定している。走力は一塁まで右打席から4.6秒(左打席換算で4.35秒と速くなく)兄ほどポテンシャルの高さは感じられないが、攻守のセンスという意味では上ではないのだろうか。実戦で力を発揮する、玄人好みの選手なのでは? 有力大学に進みそうな素材で、そこでどのぐらいの実績を残せるかではないのだろうか? またエースの 林 勇成(3年)右腕は135キロ前後と球速は地味だが、ズバッと決まってくる勢いは、球速表示より遥かに速く感じられた。

西舘 昂汰(筑陽学園3年)投手 187/84 右/右
進藤 勇也(筑陽学園3年)捕手 182/84 右/右
中村 敢晴(筑陽学園2年)遊撃 183/70 右/右

福田 真夢(作新学院3年)左翼 175/74 右/右
石井 巧 (作新学院3年)遊撃 178/74 右/右
林  勇成(作新学院3年)投手 178/80 右/左

大会六日目・第二試合 東海大相模 VS 近江

ショートとしてもドラフト候補の・遠藤 成(東海大相模3年)右腕が先発。神奈川大会ではエースナンバーをつけていたものの、わずか2試合の登板に留まった。そのため甲子園では、再び背番号6に戻っていた。非常にオーソドックスなフォームの投手で、球速は135~MAX145キロでテンポ好い投球が持ち味。スライダー・フォークなどの縦の変化を武器に、カーブなども織り交ぜまとまっている。元々中学時代から名の知れた投手だったらしいのだが、故障もあって野手として出場することがほとんどだった。それでも、野手が投げているといった感じはしない。

第一打席に出塁すると、二盗・三盗 を決めて、近江バッテリーを大いに揺さぶって魅せた。どちらかというと、打撃や守備の印象が強かった選手なので、走力でもそれだけアピールできるのかと驚いた。それでも、甘い球を逃さない「鋭さ」は健在。将来的にはこのショートもできる野手としての才能だと思うが、なにか系列の大学などに進みそうだというイメージはある。しかしこういった野球エリートでも、ボールに食らいつく泥臭さをこの選手は持っている。もしプロ志望届けを提出すれば、本会議中に指名されるのではないかとみているがどうだろうか。

近江の先発・林 優樹(3年)左腕は、大きく一塁側に踏み込んで投げるアウトステップが特徴のサウスポー。左打者にぶつかりそうな恐怖感を抱かせる球筋を活かし、両サイドを広く使ってくる投球が持ち味。球速こそほとんど130キロ前後と球威・球速は物足りないものの、スライダー・チェンジアップに威力があり、ストレートも低める集中力がある。味方のエラーなどで失点こそしたが、中盤までは安定した投球を示しており、評価を下げるといったことはなかったのではないのだろうか。対左打者中心の中継ぎタイプとしてマークしている球団もあると思うが、常識的には大学・社会人タイプなのではないかとみている。球筋を武器にするサウスポーにしては珍しく、制球力・変化球にも良さがある稀少価値の高い存在。上のレベルで総合力をさらに引き上げられれば、近い将来のプロ入りも現実味を帯びてきそうだ。

高校球界でも屈指の好捕手と呼び声の高かった 有馬 諒(近江3年)捕手は、東海大相模の打力よりも走力に翻弄された。有馬自身も送球ミスなどらしくないプレーも見られたが、むしろ相模の走力のプレッシャーに県大会無失策の内野手のミスが頻発した。それでも中盤までは、林の好投を導くリードや第一打席にはレフト線にツーベースは放って魅せた。しいていえばこの選手、スローイングが塁間1.9秒前後とドラフト候補としては平均的。状況に応じて勝負強い打撃は魅せてくれるが、ポテンシャルで圧倒するプロスカウト受けするタイプではない。進学も噂されており、大学ジャパンの正捕手などアマの王道を突き進み、4年後のプロ入りを目指す方が正解なのかもしれない。個人的には捕手らしい捕手として今年の高校生の中では最も評価しているが、プロ志望届けを提出すれば中位ではと評価するが提出するだろうか?

昨年甲子園最高打率を残し、多賀監督も「もう二度と出会えないかもしれない選手」と評している 住谷 湧也(近江3年)中堅手だが、この試合では最終打席に放ったヒット1本で甲子園をあとにした。センターからの返球で肩は悪くなかったが、ホームに送球している間に二塁を陥れるなど、状況判断の悪さが気になった。この非凡なボール捌きは、プロよりも大学などアマチュア球界で生かされることになりそうだ。

遠藤 成 (東海大相模3年)投手 178/82 右/左

林  優樹(近江3年)投手 174/64 左/左
有馬 諒 (近江3年)捕手 183/81 右/右
住谷 湧也(近江3年)中堅 170/70 左/左

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