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東北福祉大 VS 八戸学院大レポート

弘前で行われるはずだったこの大会が、コロナによる球場使用ができなくなり、一週間延期された末に福祉大グランドに変更して行われました。ツアーのキャンセル料をとられながらも、日帰りの遠征として仙台まで観に行ってきました。ただし所用山積みだったので、第一試合の 東北福祉大と八戸学院大 の試合しか見られずに、帰宅することになりました。

福祉大の先発は、ヤクルトから2位指名された 山野 太一(高川学園出身4年)左腕。だいたい球速は常時140キロ台~MAXで91マイル・146キロぐらいで、両サイドに投げ分けるコントロールがあります。この投手はスライダー中心に組み立てるスタイルで、この球でいつでもカウントを整えられるのが強味。立ち上がりはカーブやチェンジアップの精度が悪かったものの、徐々にこういった球もコントロールできてきました。また要所だと145キロを超えるような球で力でねじ伏せにきますが、全般的には丁寧にコントロールに気をつけて投げている感じがします。

同じく上位指名された 鈴木 昭汰(法政大-ロッテ1位)や佐々木健(NTT東日本-西武2位)のような150キロを超えるような凄みはありませんでしたが、伊藤(JR東日本-阪神2位)や森浦(天理大-広島2位)のような実戦力で勝負するタイプのサウスポーと言えます。今年は2位ぐらいまでに指名される大学・社会人左腕が多かったのですが、この中で誰がものになるのか興味深いところです。先発ならば5勝前後級ぐらいかなと 山野 は感じましたが、どうなることでしょう。

一方の八戸学院大の先発は、ソフトバンクから育成2位指名された・中道 佑哉(野辺地西出身4年)左腕。 こちらの球速は130キロ台後半~MAXで87マイル(140キロ)と驚くほどではありません。かなりストレートが暴れる制球力の無さが以前から気になっていました。テイクバックを小さくとって、ボールの出どころを隠す感じのスリークォーター。特にボールが、右打者の外角・左打者の内角に来る逆クロスへの球筋に集まる特徴があります。そのためアバウトなのですが、左打者の内角には厳しくゆく傾向があります。この選手は右打者の外角ボールゾーン~ストライクゾーンに入ってくる、バックドアのスライダーを得意にしており、これが決まるかがこの選手の生命線ではないかと。変化球は他にもチェンジアップ系の少し右打者外角に逃げる球もありますが、やはり速球とスライダーとのコンビネーションが主体といえるでしょう。それほど奥行きのあるピッチングをするわけではないので、相手の目が慣れる前に替える必要があり、プロでは左の中継ぎ候補としての獲得だと思います。そのため力量的には、育成枠での指名が妥当だったかと思います。面白いのは、スケール型の 佐藤 宏樹(慶応大)左腕を育成1位でとり、実戦型のこの中道を続けて育成2位で獲得した点。なかなか対照的な二人であり、興味深い指名ではありました。今後の伸びしろは微妙ですが、プロで何か良いヒントが見つけられると貴重な存在になりえるかもしれません。

またヤクルトから4位指名された、元山 飛優(福祉大4年)遊撃手がスタメン出場。転がって来るゴロに対しハンドリングの良さを活かした守備は、試合前のノックから目立っていました。ただし以前から少しスローイングが雑というか、独りよがりのプレーが目立つのは気になっていました。この日も単純なショートゴロをミスするなど、天才的な動きができる反面、そういったポカもするタイプなのかなといった気がしました。このへんがアマチュアフリークからは絶大な人気がある一方で、意外にプロの評価は厳しく4位指名まで残った要因かと。それでもバットの芯のあたりでボールを捉えられる打撃センスやスケールの大きな守備は、いずれは出てくる選手だなという気がします。1,2年一軍定着にはかかるかもしれませんが、将来スターになれる素養を持った選手ではないのでしょうか。

そして八戸学院大は、試合中盤からエースの 大道 温貴(春日部共栄出身・4年)右腕を投入しました。ボールはコンスタントに145キロ前後~MAXで92マイル・148キロに到達。立ち上がりからビシッとしたボールの勢いは確かだったのですが、ストレートが高めに抜けがちで、スライダーも微妙に決まらないなど制御に苦労していました。この辺の本当の意味でのコントロールの無さというか、欲しい時にストライクがとれない収まりの悪さがあり、外れ1位候補などとも言われながらも、3位ぐらいまで残った原因ではないかと思います。

特にこの選手が良いのは、右打者外角に切れ込むスライダーのキレにあります。これは、右打者は容易には捉えられない球ではないかと。これを左打者内角にも使ってくるのですが、まだ決めきれないことが多いのが課題かと。他にもチェンジアップだかフォーク系の球などもあり、そういった精度が上がってくるようだと楽になるのではないかと。しかし3イニング目ぐらいからコントロールも安定しはじめ、要所で良いところに決まるようになり絶好調モードに入ってきました。結果としては、タイブレークで点をとられるまで好投し、一世一代の投球だったのかもしれません。一年目から先発などある程度経験できるレベルにはあると思いますが、本格化するのは数年先かと。2、3年目ぐらいにローテーションに定着して、二桁を狙えるところまで来られれば良いですね。

また福祉大は、来年のドラフト候補・椋木 蓮(高川学園出身・3年)右腕を投入。こちらは肘がしならないスリークォーターですが、常時140キロ台後半~MAX93マイル・150キロに到達するなど力強いボールが魅力のリリーバー。肘を上手く使えないために、スライダーやシンカーなどの変化球レベルがあまり高くないのは気になりましたが、両サイドにはボールを散らす制球力はありました。球威のある球質で、空振りを誘うというよりも詰まらせて討ち取るタイプ。来年の有力な候補として、その名前を頭に入れておいて損はないのではないのでしょうか。

山野 太一(東北福祉大4年)投手 172/73 左/左
元山 飛優(東北福祉大4年)遊撃 180/78 右/左
椋木 蓮 (東北福祉大3年)投手 178/75 右/右

中道 佑哉(八戸学院大4年)投手 182/75 左/左
大道 温貴(八戸学院大4年)投手 178/83 右/右

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