2020年 ヤクルトの指名を考える
2020/08/16|Category:個別寸評
(ヤクルト指名選手)
1位 木澤 尚文(慶応大)投手 ☆☆☆☆
2位 山野 太一(東北福祉大)投手 ☆☆
3位 内山 壮真(星稜)捕手 ☆☆
4位 元山 飛優(東北福祉大)遊撃 ☆☆☆
5位 並木 秀尊(獨協大)外野 未確認
6位 嘉手苅浩太(日本航空石川)投手 ☆
育1 下 慎之介(健大高崎)投手 指名見送り
育2 赤羽 由紘(BC信濃)内野 指名見送り
育3 松井 聖(BC信濃)捕手 ☆
育4 丸山 翔大(西日本工業大)投手 未確認
1位の 木澤 尚文(慶応大)投手は、単独指名も噂されたほどの豪腕。先発でもリリーフでも、ズバーンとミットに突き刺さるボールの迫力は、今年の新人の中でも屈指のレベルにある。またその速球よりも見極めのつき難いカットボールが最大の武器。先発でゲームメイクするというよりは、リリーフへの適性の方が即戦力としては青写真が描きやすい。ただし、大きな故障を経験してきた選手だけに、その辺がどうなのか?という疑問は残る。
2位の 山野 太一(東北福祉大)投手は、スライダーが武器のサウスポー。要所ではストレートでも140キロ台中盤を記録するが、丁寧にコーナーに集めてくる。大学時代は、4年間で土つかずのまま終えた選手であり、試合を作れ大崩れしないのが持ち味。リリーフでも起用可能だが、先発で5勝前後を狙うといった起用の方が合うかもしれない。
3位の 内山 壮真(星稜)遊撃&捕手は、下級生の頃は遊撃手として活躍し、最上級生では捕手として存在感を示した。山田が残留したり、同じ遊撃手の元山を4位で獲得していることを考えると、ヤクルトでならば捕手で適性が試される可能性がある。捕手としてもきめ細やかさがあり、捕ってから素早い送球も悪くない。またボールを呼び込むまでのセンスの抜群が捕手でも活かせるようならば将来の正捕手に育ってゆく可能性を秘めている。いわゆるポテンシャルよりも、野球を知っている選手。ただし、時々大きなポカをするのが気になると言えば気になる。
4位の 元山 飛優(東北福祉大)遊撃手は、攻守にセンスとスケールを秘めた楽しみな内野手。打撃でも守備でも、球際に強いのが特徴。非凡なハンドリングがある一方、ちょっと守備に雑な面があるのと、外の球が強く叩け無いなど課題もあり、一軍に定着するのは数年かかるかもしれない。それでも持っている資質は素晴らしく、ドラフト4位でも球界を代表する内野手に育っても不思議ではない。
5位の 並木 秀尊(獨協大)外野手は、アマでも1,2を争う快速ぶりが光る。特にスタートが速く、野球に適した脚力を持っている。打撃も守備も箸にも棒にもといったことはなく、走力以外即戦力とは言えないがファームで鍛えれば期待が持てる選手であるのは間違いない。走力に関しては、野球界に衝撃を走らせる存在になれるものがある。
6位の 嘉手苅浩太(日本航空石川)投手は、191/106 という巨体ながら、手元でキレる球質と変化球を低めに集める繊細さがある。気になるのは、同じ試合の中でもイニングによってムラが激しい精神面。しかし、将来性の高い素材であり、どのようにヤクルトが導いてゆくのか興味深い将来のローテーション候補。
育成では、下 慎之介(健大高崎)投手は、左打者に強い軟投派左腕。マウンドさばきが良く、スライダーを武器にする。赤羽 由紘(BC信濃)三塁手は、攻守の安定感には欠けるが飛距離が魅力の大型三塁手。本会議で指名されるほどの総合力はまだないが、打撃育成には定評のあるヤクルトで大化けの予感をさせてくれる楽しみな素材。一方の松井 聖(BC信濃)捕手は、東邦高校の下級生時代から注目されてきたが、紆余曲折ありようやくプロ入りにたどりついた元天才。捕手としては動きが良いものの少し雑なところがあり、将来的には非凡な打撃センスを活かして他のポジションにコンバートされるかもしれない。丸山 翔大(西日本工業大)投手に関しては、私自身まともに見たことがない選手。テイクバックした時に、肘を頭の後ろまで引き上げる特徴的なフォームから投げ込んでくる。大学生ではあるが、素材型の投手とのこと。
(ヤクルトの指名を考える)
10勝の 小川 泰弘 が残留したことが大きいが、あとは先発で次の来るのが4勝のスアレスといった状況。石川・高梨などの実績のある選手もいるが、やはり頭数が足りないのは明らか。そんな中、チーム事情で先発でもリリーフでもできそうな、木澤・山野の二人を上位で獲得。特に木澤が、二度の抽選に敗れても残っていたのはラッキーだった。この二人が、一年目から現有戦力と争って一軍戦力になれるかが鍵を握っている。
3位の内山は、山田以外に弱い次世代の二塁候補や捕手として両睨みと考えるべきか。ショートは西浦などがいるが、絶対的なレギュラーでないことを考えると、数年後レギュラーを担える器の元山を4位で獲得できたことは大きい。また同様に、センターは山崎が絶対的な存在とは言えないだけに、並木を加えられたのも大きい。育成とはいえ将来性の高い赤羽を獲得して、一塁・三塁のバックアップを厚くし、一年目から支配下に入ってきてもおかしくない松井も育成で獲得できているなどチームの弱い部分を厚くしに来ている。
オリックスが最下位でも割り切ってスケールの大きな高校生を並べてきたのに対し、ヤクルトは現状に即した指名をしてきた印象がある。悪く言えば合わせに来ており、将来性なのか即戦力なのかの中途半端感は残る。それでも1位や4位で結果的に有望株を獲得できており、面子的には良い指名になったと評価したい。
蔵の評価:☆☆☆ (劇的に来年変われるかは微妙)
1位 木澤 尚文(慶応大)投手 ☆☆☆☆
2位 山野 太一(東北福祉大)投手 ☆☆
3位 内山 壮真(星稜)捕手 ☆☆
4位 元山 飛優(東北福祉大)遊撃 ☆☆☆
5位 並木 秀尊(獨協大)外野 未確認
6位 嘉手苅浩太(日本航空石川)投手 ☆
育1 下 慎之介(健大高崎)投手 指名見送り
育2 赤羽 由紘(BC信濃)内野 指名見送り
育3 松井 聖(BC信濃)捕手 ☆
育4 丸山 翔大(西日本工業大)投手 未確認
1位の 木澤 尚文(慶応大)投手は、単独指名も噂されたほどの豪腕。先発でもリリーフでも、ズバーンとミットに突き刺さるボールの迫力は、今年の新人の中でも屈指のレベルにある。またその速球よりも見極めのつき難いカットボールが最大の武器。先発でゲームメイクするというよりは、リリーフへの適性の方が即戦力としては青写真が描きやすい。ただし、大きな故障を経験してきた選手だけに、その辺がどうなのか?という疑問は残る。
2位の 山野 太一(東北福祉大)投手は、スライダーが武器のサウスポー。要所ではストレートでも140キロ台中盤を記録するが、丁寧にコーナーに集めてくる。大学時代は、4年間で土つかずのまま終えた選手であり、試合を作れ大崩れしないのが持ち味。リリーフでも起用可能だが、先発で5勝前後を狙うといった起用の方が合うかもしれない。
3位の 内山 壮真(星稜)遊撃&捕手は、下級生の頃は遊撃手として活躍し、最上級生では捕手として存在感を示した。山田が残留したり、同じ遊撃手の元山を4位で獲得していることを考えると、ヤクルトでならば捕手で適性が試される可能性がある。捕手としてもきめ細やかさがあり、捕ってから素早い送球も悪くない。またボールを呼び込むまでのセンスの抜群が捕手でも活かせるようならば将来の正捕手に育ってゆく可能性を秘めている。いわゆるポテンシャルよりも、野球を知っている選手。ただし、時々大きなポカをするのが気になると言えば気になる。
4位の 元山 飛優(東北福祉大)遊撃手は、攻守にセンスとスケールを秘めた楽しみな内野手。打撃でも守備でも、球際に強いのが特徴。非凡なハンドリングがある一方、ちょっと守備に雑な面があるのと、外の球が強く叩け無いなど課題もあり、一軍に定着するのは数年かかるかもしれない。それでも持っている資質は素晴らしく、ドラフト4位でも球界を代表する内野手に育っても不思議ではない。
5位の 並木 秀尊(獨協大)外野手は、アマでも1,2を争う快速ぶりが光る。特にスタートが速く、野球に適した脚力を持っている。打撃も守備も箸にも棒にもといったことはなく、走力以外即戦力とは言えないがファームで鍛えれば期待が持てる選手であるのは間違いない。走力に関しては、野球界に衝撃を走らせる存在になれるものがある。
6位の 嘉手苅浩太(日本航空石川)投手は、191/106 という巨体ながら、手元でキレる球質と変化球を低めに集める繊細さがある。気になるのは、同じ試合の中でもイニングによってムラが激しい精神面。しかし、将来性の高い素材であり、どのようにヤクルトが導いてゆくのか興味深い将来のローテーション候補。
育成では、下 慎之介(健大高崎)投手は、左打者に強い軟投派左腕。マウンドさばきが良く、スライダーを武器にする。赤羽 由紘(BC信濃)三塁手は、攻守の安定感には欠けるが飛距離が魅力の大型三塁手。本会議で指名されるほどの総合力はまだないが、打撃育成には定評のあるヤクルトで大化けの予感をさせてくれる楽しみな素材。一方の松井 聖(BC信濃)捕手は、東邦高校の下級生時代から注目されてきたが、紆余曲折ありようやくプロ入りにたどりついた元天才。捕手としては動きが良いものの少し雑なところがあり、将来的には非凡な打撃センスを活かして他のポジションにコンバートされるかもしれない。丸山 翔大(西日本工業大)投手に関しては、私自身まともに見たことがない選手。テイクバックした時に、肘を頭の後ろまで引き上げる特徴的なフォームから投げ込んでくる。大学生ではあるが、素材型の投手とのこと。
(ヤクルトの指名を考える)
10勝の 小川 泰弘 が残留したことが大きいが、あとは先発で次の来るのが4勝のスアレスといった状況。石川・高梨などの実績のある選手もいるが、やはり頭数が足りないのは明らか。そんな中、チーム事情で先発でもリリーフでもできそうな、木澤・山野の二人を上位で獲得。特に木澤が、二度の抽選に敗れても残っていたのはラッキーだった。この二人が、一年目から現有戦力と争って一軍戦力になれるかが鍵を握っている。
3位の内山は、山田以外に弱い次世代の二塁候補や捕手として両睨みと考えるべきか。ショートは西浦などがいるが、絶対的なレギュラーでないことを考えると、数年後レギュラーを担える器の元山を4位で獲得できたことは大きい。また同様に、センターは山崎が絶対的な存在とは言えないだけに、並木を加えられたのも大きい。育成とはいえ将来性の高い赤羽を獲得して、一塁・三塁のバックアップを厚くし、一年目から支配下に入ってきてもおかしくない松井も育成で獲得できているなどチームの弱い部分を厚くしに来ている。
オリックスが最下位でも割り切ってスケールの大きな高校生を並べてきたのに対し、ヤクルトは現状に即した指名をしてきた印象がある。悪く言えば合わせに来ており、将来性なのか即戦力なのかの中途半端感は残る。それでも1位や4位で結果的に有望株を獲得できており、面子的には良い指名になったと評価したい。
蔵の評価:☆☆☆ (劇的に来年変われるかは微妙)
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