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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2020年 巨人の指名を考える

(巨人指名選手)

1位 平内 龍太(亜細亜大)投手    ☆☆☆
2位 山崎 伊織(東海大)投手     未確認
3位 中山 礼都(中京大中京)遊撃   ☆☆
4位 伊藤 優輔(MHPS)投手     ☆☆
5位 秋広 優人(二松学舎大付)内野  指名見送り
6位 山本 一輝(中京大)投手     未確認
7位 萩原 哲 (創価大)捕手     未確認
育1 岡本 大翔(米子東)遊撃     未確認
育2 喜多 隆介(京都先端科学大)捕手 未確認
育3 笠島 尚樹(敦賀気比)投手    ☆☆
育4 木下 幹也(横浜)投手       
育5 前田 研輝(駒沢大)捕手      
育6 坂本 勇人(唐津商)捕手     未確認
育7 戸田 懐生(徳島IS)投手     
育8 阿部 剣友(札幌大谷)投手     指名見送り
育9 奈良木 陸(筑波大)投手      
育10 山崎 友輔(福山大)投手      未確認
育11 保科 広一(創価大)外野      指名見送り
育12 加藤 廉(東海大海洋学部)内野   未確認

1位の 平内 龍太(亜細亜大)投手は、最終学年に急浮上した選手。元々140キロ台後半の重い球は目立っていたのですが、最終学年では150キロ台中盤を連発するまでになった。ストレートは暴れて制球力が不安になるが、スライダーでカウントを整えつつ落差の大きなスプリットで仕留めることができる。一見リリーフタイプに見えるのだが、本当の制球力がないため、自分のペースで投げられる先発から入るほうが、この選手は良いのではないかと。

2位の 山崎 伊織(東海大)投手は、3年生の時点で1位指名が濃厚な選手だった。しかし最終学年は、右肘の手術を行い、能力を示すことなくプロ入りすることに。しかしもし順調に能力を回復できれば、菅野智之の後継者にもなりうる実力と強い精神力を持っている。来年即復帰とは厳しいだろうが、長い目で観れば1位クラスの選手を2位で獲得できたと考えて良いだろう。

3位の 中山 礼都(中京大中京)遊撃手は攻守にまだ粗っぽさを残すが、攻守に華のあるプレーヤー。特に指名濃厚なレベルの選手でありながら、貪欲にプロ志望合同練習会に参加するなど、高校生とは思えないギラギラしたものがある。そういった意味でも、ポスト・坂本になりうる可能性を秘めている。

4位の 伊藤 優輔(MHPS)投手は元々好投手タイプだったが、社会人で150キロ台中盤まで叩き出せるまでに大幅にパワーアップ。ストレートが空振りが取れるといった球質ではないのと、コントロールはかなり不安定。それでも速球と見分けの困難なカットボールとスプリットの威力は光っている。社会人に入って大幅に能力を引き上げてきたことを考えると、プロ入り後も進化を続けて行けるかもしれない。少々アテにし難いタイプだが、ボールの力は1位の平内と共に、アマ屈指のレベルにある。

5位の 秋広 優人(二松学舎大付)内野手は、あのジャイアント馬場こと馬場正平の入団時と同じ2メートル越えで、プロ野球最長身長での入団となった。まだ大型故に攻守にピリッとしない印象もあるが、弧の大きなスイングには強打者としての可能性を秘めている。プロの指導や環境にハマれば、大化けしても不思議ではない。個人的には、まだ大学などワンクッション置いてからの方がプロ入りはよかったのではないかなという判断で指名リストからは外した。

6位の 山本 一輝(中京大)左腕も、下級生の時から手元までしっかりキレてくるボールが印象的だった。最終学年での成長ぶりが確認できなかったのだが、四死球率が高かった成績が大幅に改善されている。変化球は一通り持っているが、これはという球がないので、そのへんがプロで何か習得できると一軍で戦力になれても不思議ではない。

7位の 萩原 哲(創価大)捕手も、最終学年でしっかり確認ができずに終わった選手。僅かな映像を見る限りは、攻守にあまり変化はなかったのではないかとは感じたのだが。上下動の動きが激しく確実性に欠ける打撃と、投げ急いで送球を乱しているしまうスローイングが何処まで改善できているか? それでも、パワフルで強肩という素材としての魅力は高い。

育成の岡本 大翔(米子東)遊撃は、190センチの大型内野手ながらビックリするぐらい動きが良い。地肩も強くスケール感抜群で、確実性の低い打撃に改善が観られるかではないのだろうか。喜多 隆介(京都先端科学大)捕手は、スローイングはプロに混ぜても上位クラス。また大学に進んで、格段にキャッチングが良くなっている。また打撃も悪い癖がなく、大きく直すところが見当たらない。打力も高い技術があり、経験を積めば一軍も意識できる素材ではないのだろうか。笠島 尚樹(敦賀気比)投手は、夏の大会で調子を崩していたものの、元来ならば本会議で指名されていただろう実戦的なスリークォーター。指先まで力が伝えられるストレートで140キロ台中盤を出せるし、コントロールも非常に精度が高い。調子さえ取り戻せば、充分に一軍を意識できる素材であり、高校生でも比較的早い時期から出てきそうだ。木下 幹也(横浜)投手も、スケールよりも実戦力に優れた本格派。こちらは185センチの体格ながら、130キロ台という物足りなさはあるものの、上手くフォームがフィットしたら10キロぐらい速くなっても不思議ではない。チームでも下級生から名門のエースを任されてきた素材であり、精神的にもタフで試合を作る能力がある。前田 研輝(駒沢大)捕手 は、驚くような肩や打力はないものの、ボールまわしからセンスを感じさせる好捕手。低めの球の対応に課題があり打率が上がらないが、潜在的な打撃能力はそこまで低くないのではないかとみている。いっぽう対照的なのが、坂本 勇人(唐津商)捕手。こちらは、強肩・強打のポテンシャル型捕手。僅かな映像でしか観られなかったので詳細はわからないが、他の捕手との兼ね合い次第では他のポジションにコンバートされてしまうかもしれない打撃が良さそうな選手。

戸田 懐生(徳島IS)投手は、小柄でも投げっぷりの好い実戦派。育成でも、比較的すぐに支配下を勝ち取って欲しいタイプ。キレのある真っ直ぐや縦に切れ込む変化球で空振りを誘える活きの好いピッチングを魅せる。阿部 剣友(札幌大谷)投手は、170センチそこそこの戸田とは対照的に、2メートルの長身から大きなテイクバックで投げ込んでくる大型左腕。非常にゆっくりとした成長をしている感じで、こちらは他の選手以上に長い目でみてあげて欲しいタイプ。奈良木 陸(筑波大)投手は、最終学年で頭角を現してきた150キロ右腕。まだ変化球の精度が発展途上も、ストレートの勢い・球速は本会議で指名があった選手達にも引けをとらない。山崎 友輔(福山大)投手は、元々フォークやスライダーのキレが光る好投手だった。しかし、最終学年で150キロぐらいまで球速を伸ばしたという。その辺私も確認できていないのだが、変化球が好い投手だけにストレートが一変しているようだと掘り出しものになるかもしれない。保科 広一(創価大)外野 手は、アメリカ人を父に持つハーフ選手で肉体のポテンシャルが高い。ベースランニングなどをみると脚力もかなりのものではあるが、試合ではDHでの出場が多い。当たれば飛ぶが、タイミングの図り方に課題があるなど、まだまだ技術的には課題が多い素材型。加藤 廉(東海大海洋学部)内野手は、高校時代以来しっかり見ることができず、現状何処までレベルアップしているのかは不明。それでも塁間3.9秒台の脚力と深いところから刺せる強肩ぶりは光っている。映像を見る限りは、打撃フォームに悪い癖はなくバットのしなりを活かしたプロ仕様なスイングでしっかり振り切ってくる。プロの水に慣れ、一軍レベルでも通用する走攻守を身につけられるかだろう。

(巨人の指名を考える)

14勝2敗で、チームの絶対的エースだった菅野が、メジャー挑戦のため抜けることが濃厚だった。しかしこれを、ドラフトで補うことは難しい。それも、一転して菅野は残留し新人の起用・育成にも余裕が出てきた。さらにFAでは、井納(DeNA)も獲得し、先発陣は厚みを増すことになる。菅野以外だと9勝の戸郷、8勝のサンチェスが目立つ程度で、あとは井納含めて先発陣が5勝前後の投手で競争といった感じ。そんななか先発陣に余裕ができたことで、平内は先発とリリーフの両睨みで考えられる。それでも最初は、先発で適性を探ることになるのではないのだろうか。

むしろ4位の伊藤の方は、リリーフから入ってゆくことになりそう。ともに150キロ台中盤の速球を投げ込むアマ屈指の球速を誇る。また2位の山崎は、6月に手術をしているだけに1年目に多くは望めないだろう。このドラフトの成否を左右しそうな人材ではあるが、まずは将来のエースになりうる素材だけに無理なく回復を促したい。

3位の中山は、ポスト坂本勇人を意識できる好素材ではあるが、攻守に時間はかかりそう。ただし坂本も入団時そういった選手だったのが、意外なほどの早さで一軍レギュラーまで昇りつめている。また5位以下の秋広・山本・萩原は、育成も含めて横一線といった感じの選手ではないかという気がする。特に今年の巨人は、12名の育成選手を獲得。ただ人数が多いだけでなく、非常に楽しみな素材が多い。そのため12名中5名に、本会議並の  を付けた選手もおり個人的には将来どうなるか楽しみな選手が多い。そんな中では、完成度の高い戸田あたりは、一年目から支配下に入り一軍に顔を出すかもしれない。やみくもにたくさんの選手を指名したのではなく、かなり今年(唯一行われた秋季リーグで)になってよくなった選手を評価しての指名であり、幅広く有望選手を追い求めた結果の指名になっている。

野手に関しては、梶谷のFAでの獲得・大物助っ人の加入で戦力増強を行い、ドラフトでは将来に向けての割り切った指名となっていた。特に捕手の指名が多く、出場を潰し合わないかが心配になるが、それぞれタイプは違っているだけに、意外に棲み分けはできるかもしれない。そのへんは、阿部監督など首脳陣のやりくり次第な気がする。ちょっと執拗に左腕を集めたDeNA同様に、巨人の大量指名はやりすぎの感はあったものの、しっかり中身が伴った指名だと評価したい。

このメンバーを加えたことで、即ソフトバンクとの差が埋められるとは思わないが、このレベルの選手を育成で集め続けたら(人数ではなく質の意味で)、5年後ぐらいにはかなり驚異的なチームになっていても不思議ではない。もちろんドラフトだけでどうにかなるものではないが、巨人の二軍・三軍の変革に着手した先駆けの年になるかもしれない。本会議での指名は、山崎の今後次第の部分も大きく他球団並の指名だと思うが、育成枠に好素材も多くそこを高く評価してみたい

蔵の評価:☆☆☆☆ (地方リーグの選手の成長を見逃さなかった)

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