2021年夏 甲子園レポート4
2021/07/16|Category:テレビ・動画観戦
大会二日目・第四試合 東北学院 VS 愛工大名電
東北学院の先発・伊東 大夢(3年)右腕は、187センチの大きな身体を活かしゆったりと投げ込んでくる。球速は135~140キロ台前半ながら、重い球を低めや内角に集める投球で名電打線を抑え込んでゆく。変化球は、スライダーやチェンジアップなどであり、縦への変化の大きいスライダーは有効だった。高校からプロといったほどではないにしろ、大学などでも追いかけて行きたい大型投手。事前に良く知らなかっただけに、思わぬ収穫だと言って良いのではないのだろうか。
愛工大名電は、2番手に登板した 寺嶋 大希(3年)右腕。スピンの効いた145キロ前後の速球を投げ込むスピード能力に加え、スライダーの切れは一級品。縦スラやスプリットなどもあるようで、春先から東海地区ではプロ注目の投手だった。春季大会で見た時よりも、ストレートの内容は良かった感じ。本人がプロ志向かはわからないが、志望届を提出すれば本会議中での指名も期待できる一人ではないのだろうか。まだ素材としての奥行きの浅さは感じるが、身体ができてきた時にどんな投球ができるのかという楽しみはある。
二刀流で話題になった 田村 俊介(3年)左腕。先発して130キロ台後半の重いストレートと適度なまとまりのある投球は魅せたものの、将来性ではやはり野手との印象。その野手でも、対応力こそ高いが生粋の長距離打者ではない。走力は中の上ぐらいで、守備力は三塁や一塁に中堅などいろいろなポジションを守れる器用さがある。しかし将来的に左投げだけに、外野手だろう。特徴が見え難い左打者だけに、非凡な打撃は評価されても順位は5位前後ぐらいに落ち着くかもしれない。試合でも本塁打を放ったように、将来的に 丸 佳浩(現巨人)級にまで育つかもと入れ込める球団があれば、もう少し上の順位もありうるとは思うのだが・・・。いずれにしてもプロ側の評価は高く、本会議での指名は有力ではないのだろうか。
伊東 大夢(東北学院3年)投手 187/88 右/左
寺嶋 大希(愛工大名電3年)投手 179/76 右/右
田村 俊介(愛工大名電3年)一塁 178/88 左/左
大会三日目・第一試合 明桜 VS 帯広農業
今大会注目度NO.1の 風間 球打(明桜3年)右腕は、春季大会に投げていたような驚くような球は見られず。それでも長身から覆いかぶさるようなフォームから投げ込むボールの角度・勢いは高校球界随一だと言えよう。また落ち着いて、スライダー・カットボール・チェンジアップ・フォークなど織り交ぜ、冷静なピッチングが光った。制球力・変化球の精度など未完成な部分は残るが、フォークの精度などが増せば、投球内容もかなり変わってきそうだ。出来としては7割・8割ぐらいだとは思うが、現状やれることをやれている印象で、そういった器用さ・修正能力も想像以上にあることを評価している球団もあるのではないのだろうか。素材型でありながら、投球壊さないでまとめられるところを評価したい。ドラフトでも1位競合は揺るがないところだが、本当に強いところにあった時にどんな投球を魅せてくれるのか、今後の投球にも注視したい。
明桜では、 中井 稜貴(3年)は、捕手ながら一番打者を任されるハイセンス。風間の地面に叩きつける落ちる球の捕球には苦労していたが、セーフティバントながら右打席から4.1秒(左打者換算で3.85秒に相当)する脚力は光った。派手さはないが、対応力のある打撃にも一定ものを示した。また3番を担った 石田 一斗(3年)遊撃手も、払うようなスイングでも長打を放ったり、守備の動きも悪くない。共に、大学などで野球を続けて行けるセンスの持ち主だと言えよう。
また帯広農業では、佐伯 柊(3年)遊撃手が風間の速球にしっかり対応できていた。チームでもショートを担う攻守の中心的な存在。緒戦に抑え込まれていた風間に対し、しっかり二戦目で対応して順応能力は上のレベルの野球でも生きそうだ。
風間 球打(明桜3年)投手 183/81 右/左
中井 稜貴(明桜3年)捕手 170/67 右/右
石田 一斗(明桜3年)遊撃 172/76 右/右
佐伯 柊(帯広農3年)遊撃 173/67 右/右
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