2021年夏 甲子園レポート9
2021/07/24|Category:テレビ・動画観戦
大会6日目第三試合 京都国際 VS 前橋育英
京都国際の先発・森下 瑠大(2年)左腕は、135キロ~140キロぐらいと驚くような球威・球速はなかったものの、ストライク先行で常に有利な状況でピッチングができていた。変化球もスライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップなどを巧みに織り交ぜ、相手に的を絞らせない。来年のドラフト候補というよりも、センスの勝った実戦派といった感じで、有力大学などに進んでゆくタイプに見えた。今後力をつけてモデルチェンジに成功すれば、ドラフト候補云々ということにもなってくるかもしれないが。
その巧みな投球を支えたのが、中川 勇斗(3年)捕手のテンポの良いインサイドワーク。フットワークも機敏で、キャッチングもフレーミングを意識し研究熱心なところを見せる。ワンバウンド処理などにまだ課題は残すが、再三塁上のランナーに送球をするなど、相手の足を封じる努力も怠らない。打っても小柄ながら4番を担い本塁打を放ったり盗塁を決めたりと、運動神経の高さを見せつけた。野球マニアがプレーをしているような感じの選手だったが、一躍ドラフト候補に浮上してきたのではないのだろうか。下位~育成ならば、チームに加えてみたいと思った球団やスカウトいても不思議ではない。
その中川の巧みなリードの前に力を封じられた形になったのが、前橋育英の4番・ 皆川 岳飛(3年)中堅手。当たった時の飛距離は圧巻だったが、県大会後半からレベルの高い投手だとどうなのかな?と思ってみていた。今回、そういった不安が当たってしまった形だろうか? 強打者の割に守備・肩なども悪くない選手だったが、一塁までの到達タイムは左打席から4.2秒前後と平凡なのはは気になった。進学が噂されており、大学で文句なしの実績を残し、4年後の上位を狙って欲しい存在だった。
また、前橋育英の核弾頭・横倉 拓実(2年)左翼手の脚力が光った。一塁までの塁間を、多少は走り打ちの気はするが、3.75秒前後で走る脚力はプロに混ぜても最上位クラス。その横倉に盗塁を許さなかった中川の警戒感がより光る形になってしまった。バットコントロールは良かったので、あとはスイングに鋭さ・強さを磨いてほしい。まだ2年生だけに、今後の注視してゆきたい。
森下 瑠大(京都国際2年)投手 178/73 左/左
中川 勇斗(京都国際3年)捕手 170/70 右/右
皆川 岳飛(前橋育英3年)中堅 181/79 右/左
横倉 拓実(前橋育英2年)左翼 166/64 右/左
大会6日目・第四試合 作新学院 VS 高松商
2年生ながらすでに高校通算30本塁打を誇る 浅野 翔吾(2年)右翼手は、実に堂々とした打席での佇まい。170センチと上背はないが、ガッチリした体格で右方向にもきっちり打ち返したかと思えば、うまくたたんで引っ張ってのヒットを放つなど、四国随一の打者と評される片鱗を見せてくれた。肩こそ平凡だったが、落下点までの入りなども思った以上に守備がしっかりしていたことは収穫だった。秋以降、四国で最も熱い視線を浴びる存在になるだろう。
作新学院では、県大会で3打席に終わったものの、この試合では4番に座った 小口 莉央(3年)一塁手の打撃が目立った。大型でも対応力が高く、右に左にセンターへと3安打を放った。バットが振れる選手で、長打力もありそう。守備位置が一塁なのは気になるが、こと打撃に関しては大学生級といったスイングだった。ぜひ今後も、野球を続けていって欲しい一人だ。
浅野 翔吾(高松商2年)右翼 170/83 右/右
小口 莉央(作新学院3年)一塁 183/90 右/右
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