小島 脩平(24歳・住友鹿島)二塁
2011/11/10|Category:個別寸評
小島 脩平(24歳・住友鹿島)二塁 177/75 右/左 (東洋大出身)
「2年間の成長はあったのか?」
東洋大学時代も、プロ注目の内野手として活躍。しかし今年の都市対抗では、9番・二塁手として出場。本当に、この二年間で、目に見える成長があったのか?と言われると疑問が残る内容だった。今年晴れてドラフト指名されたのだが、今年のプレーぶりを考察してみたい。
(プレースタイル)
柔らかいリストワークを生かした、ミートセンスのある打撃は、大学時代から光っていました。守備・走力共にバランスが取れているのですが、何か図抜けたものがないところが、物足りない選手ではありました。それでも個人的には、非凡なミートセンスを評価して、大学時代には ☆☆ を付けた選手です。
(守備・走塁面)
グラブ捌きが柔らかく、守備範囲も広い二塁手です。けして強肩や派手なフットワークで魅了するタイプではなく、堅実なプレーで安定感を感じます。地肩に特別なものは感じず、ごく平均的。守備を総じて評価すると、大学時代同様に中の上ぐらいかなと思います。
一塁までの塁間は、4.0~4.1秒台ぐらいで、これもプロの基準である4.2秒を上回りますが、中の上レベルです。ただプロで足を売りにするほどの絶対的なものはなく、社会人でもチームの9番あたりで時々走るといった感じでした。
(打撃内容)
柔らかいリストワークを生かして、変化球に合わせるのが非常に上手い選手。また高い集中力から、甘い球を逃さず叩く「鋭さ」も兼ね備えていました。ただ大学4年春に首位打者を獲得した時のような、絶対的な凄みは、特に社会人になって感じたことはありません。
<構え> ☆☆☆☆
前足を軽く引いていますが、ほぼスクエアスタンス。グリップの高さは平均的で、腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスも取れています。打席では、適度に身体を動かし、自分のリズムで立ています。
<仕掛け> 早めの仕掛け
昨年観たときは、「平均的な仕掛け」で始動していましたが、元の「早めの仕掛け」に戻しました。典型的なアベレージヒッターの仕掛けであり、彼のプレースタイルにあっています。
<足の運び> ☆☆☆☆
足を早めに引き上げて、着地までの「間」があるタイプです。そのため、いろいろなタイミングに合わせる器用さがあります。踏み込みは、大学時代は真っ直ぐ踏み込んでいたように見えました。しかし今年は、少しベース側にインステップして踏み出します。外の球をきっちり打つことに優れますが、左のアベレージ打者であることを考えると、以前のように真っ直ぐから、むしろアウトステップの方が、打撃の幅を広がるように思えます。どうしても左のインステップ打者は、高い打率が残し難い傾向にあります。
それでも踏み込んだ足下は、インパクトの際にブレません。これにより外の球でもついて行きますし、彼の良さは低めの球にもしっかり対応できる点です。彼の持つ膝の柔らかさと足下の我慢が大きく原因しているように思えます。
<リストワーク> ☆☆☆☆
打撃の準備である「トップ」を作るのも、けして遅くありません。これにより、速い球に立ち後れません。またバットの振り出しもよく、ボールを捉えるまでにロスを感じません。ボールを捉えてからも大きな弧を描き、最後までしっかり振り切ります。ただ大学時代から課題の、インパクトの強さ・打球の鋭さという観点では、それほど以前と変わっていないのかなと言う印象を受けます。
<軸> ☆☆☆☆
足を上げ降ろすタイプですが、頭の動きは小さく、目線は安定しています。身体の開きも我慢できています。軸足に安定感は感じないのですが、あえて軸足を崩してでも低めの球を捉えたりと、特別な柔らかさを魅せる選手。そのため、あまりその点は気にしなくて好いと考えます。
(打撃のまとめ)
ハンドリング・膝の柔らかさなど、ボールを捉えるセンスは光ります。しかし大学時代ほど、甘い球を逃さないという「鋭さ」は感じられず、また課題であったスイングの強さ・鋭さは、それほど改善されているように思えません。そういった意味では、大きく魅力が損なわれたとは思いませんが、成長も感じられませんでした。
(最後に)
この2年間で、何か好くなったのか?と言われると正直疑問です。しかし、元々持っている非凡なミートセンスは、プロでより生かされるのではないかと期待します。守備・走力共に破綻はないので、便利屋的な扱いで長く重宝される可能性もあります。
上手くチャンスを与えられないまま、中途半端に埋もれてしまう可能性も否定できないのですが、上手く非凡な打撃センスを引き出してあげられる環境ならば、プロでも毎年3割を残せるような潜在能力はあるように思えます。
ただ一つ気になる点では、社会人での2年間に、目に見えての変化がみられなかった点。そういった何か問題点を見出したり、より高めるような意識のある選手ならば、けしてこの2年間を無駄には過ごさなかったのだと私は思います。そう考えると、☆☆ を付けた評価は、2歳歳をとったことを考えると、割り引かざる得ません。一応彼の潜在能力は買っておりますので、指名リストには名前を残しますが、評価は以前よりも落とすことに致しました。
蔵の評価:☆
(2011年 都市対抗)
「2年間の成長はあったのか?」
東洋大学時代も、プロ注目の内野手として活躍。しかし今年の都市対抗では、9番・二塁手として出場。本当に、この二年間で、目に見える成長があったのか?と言われると疑問が残る内容だった。今年晴れてドラフト指名されたのだが、今年のプレーぶりを考察してみたい。
(プレースタイル)
柔らかいリストワークを生かした、ミートセンスのある打撃は、大学時代から光っていました。守備・走力共にバランスが取れているのですが、何か図抜けたものがないところが、物足りない選手ではありました。それでも個人的には、非凡なミートセンスを評価して、大学時代には ☆☆ を付けた選手です。
(守備・走塁面)
グラブ捌きが柔らかく、守備範囲も広い二塁手です。けして強肩や派手なフットワークで魅了するタイプではなく、堅実なプレーで安定感を感じます。地肩に特別なものは感じず、ごく平均的。守備を総じて評価すると、大学時代同様に中の上ぐらいかなと思います。
一塁までの塁間は、4.0~4.1秒台ぐらいで、これもプロの基準である4.2秒を上回りますが、中の上レベルです。ただプロで足を売りにするほどの絶対的なものはなく、社会人でもチームの9番あたりで時々走るといった感じでした。
(打撃内容)
柔らかいリストワークを生かして、変化球に合わせるのが非常に上手い選手。また高い集中力から、甘い球を逃さず叩く「鋭さ」も兼ね備えていました。ただ大学4年春に首位打者を獲得した時のような、絶対的な凄みは、特に社会人になって感じたことはありません。
<構え> ☆☆☆☆
前足を軽く引いていますが、ほぼスクエアスタンス。グリップの高さは平均的で、腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスも取れています。打席では、適度に身体を動かし、自分のリズムで立ています。
<仕掛け> 早めの仕掛け
昨年観たときは、「平均的な仕掛け」で始動していましたが、元の「早めの仕掛け」に戻しました。典型的なアベレージヒッターの仕掛けであり、彼のプレースタイルにあっています。
<足の運び> ☆☆☆☆
足を早めに引き上げて、着地までの「間」があるタイプです。そのため、いろいろなタイミングに合わせる器用さがあります。踏み込みは、大学時代は真っ直ぐ踏み込んでいたように見えました。しかし今年は、少しベース側にインステップして踏み出します。外の球をきっちり打つことに優れますが、左のアベレージ打者であることを考えると、以前のように真っ直ぐから、むしろアウトステップの方が、打撃の幅を広がるように思えます。どうしても左のインステップ打者は、高い打率が残し難い傾向にあります。
それでも踏み込んだ足下は、インパクトの際にブレません。これにより外の球でもついて行きますし、彼の良さは低めの球にもしっかり対応できる点です。彼の持つ膝の柔らかさと足下の我慢が大きく原因しているように思えます。
<リストワーク> ☆☆☆☆
打撃の準備である「トップ」を作るのも、けして遅くありません。これにより、速い球に立ち後れません。またバットの振り出しもよく、ボールを捉えるまでにロスを感じません。ボールを捉えてからも大きな弧を描き、最後までしっかり振り切ります。ただ大学時代から課題の、インパクトの強さ・打球の鋭さという観点では、それほど以前と変わっていないのかなと言う印象を受けます。
<軸> ☆☆☆☆
足を上げ降ろすタイプですが、頭の動きは小さく、目線は安定しています。身体の開きも我慢できています。軸足に安定感は感じないのですが、あえて軸足を崩してでも低めの球を捉えたりと、特別な柔らかさを魅せる選手。そのため、あまりその点は気にしなくて好いと考えます。
(打撃のまとめ)
ハンドリング・膝の柔らかさなど、ボールを捉えるセンスは光ります。しかし大学時代ほど、甘い球を逃さないという「鋭さ」は感じられず、また課題であったスイングの強さ・鋭さは、それほど改善されているように思えません。そういった意味では、大きく魅力が損なわれたとは思いませんが、成長も感じられませんでした。
(最後に)
この2年間で、何か好くなったのか?と言われると正直疑問です。しかし、元々持っている非凡なミートセンスは、プロでより生かされるのではないかと期待します。守備・走力共に破綻はないので、便利屋的な扱いで長く重宝される可能性もあります。
上手くチャンスを与えられないまま、中途半端に埋もれてしまう可能性も否定できないのですが、上手く非凡な打撃センスを引き出してあげられる環境ならば、プロでも毎年3割を残せるような潜在能力はあるように思えます。
ただ一つ気になる点では、社会人での2年間に、目に見えての変化がみられなかった点。そういった何か問題点を見出したり、より高めるような意識のある選手ならば、けしてこの2年間を無駄には過ごさなかったのだと私は思います。そう考えると、☆☆ を付けた評価は、2歳歳をとったことを考えると、割り引かざる得ません。一応彼の潜在能力は買っておりますので、指名リストには名前を残しますが、評価は以前よりも落とすことに致しました。
蔵の評価:☆
(2011年 都市対抗)
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