２０２２年 センバツレポート２

大会初日・第三試合　九州国際大付属　VS　クラーク記念国際

この試合の注目は、高校球界を代表する捕手である　野田　海人（九州国際大付３年）捕手。ミットしっかり構えて動かず、捕ったあとは素早く返球してリズムを促すリード。特にキャッチングなどは悪くなく、リードも高めを駆使してゾーンを広く使っていた。自慢の強肩や打撃で存在感を示せなかったのは残念だったが、次戦以降の活躍を期待したいところ。

クラーク国際は、先発の　山中　麟翔（３年）投手のピッチングよりも、４番を打つ打撃の方が目をひいた。一打席目に見事振り抜きツーベース放つなど、潔いスイングが印象的だった。そのあとは抑え込まれてしまったが、野手としては走力があまりないのが残念なところか。

また九州国際大付属の核弾頭・黒田　義信（３年）中堅手は、一塁までの到達が３．９秒前後という俊足ぶりが光る。安定した守備も含めた身体能力は光るが、スイングがややひ弱いのが気になるところか。

またクラーク国際で２番手に登板した　辻田　旭輝（３年）右腕は、神宮大会でも１４０キロ台を記録していた投手。この日は、１３０キロ台中心ではあったが、１４０キロを超える球も投げていた。特に球質にも優れ、内角や高めの真っ直ぐを上手く使い空振りも誘えていた。変化球も、カーブ・スライダー・フォークなど、意外に変化球も悪くないなといった感じ。現状は大学タイプだと思われるが、夏までには１４０キロ台中盤を記録するまでになってきても不思議ではなさそうだ。

注目の２年生の４番・佐倉　侠史朗（九州国際大付）一塁手は、最後の最後でレフトへの決勝の犠牲フライこそ放ったが、５番の野田ともに、完全に抑え込まれてしまった形となってしまった。次戦以降の爆発に、望みを託したい。また九州国際大付属では、尾崎　雄斗（３年）遊撃手も、地面に吸い付くようなボールさばきで、再三のゴロを無難にさばいた守備も光っていた。

野田　海人（九州国際大付３年）捕手　１７４／７５　　右／右
黒田　義信（九州国際大付３年）中堅　１８０／７２　　右／左
佐倉侠史朗（九州国際大付２年）一塁　１８２／１０４　右／左
尾崎　雄斗（九州国際大付３年）遊撃　１７３／６８　　右／右

山中　麟翔（クラーク国際３年）投手　１７７／７７　左／左
辻田　旭輝（クラーク国際３年）投手　１８２／８０　右／右


大会２日目・第一試合　広陵　VS　敦賀気比

広陵の先発　森山 陽一朗（3年）右腕は、一冬越えて見違えるほど体つきが変わってきた。球速こそ１３５～１４０キロ強と大きくは伸びてきていないが、球質も非常に重くなり力で押せるようになってきている。スライダーを中心に、緩いカーブやチェンジアップなどを織り交ぜ　７回2/3　で２安打・１四死球　６三振　で無失点と、安定した内容だった。高校からプロとなるとまだボーダーラインの印象はあるが、今後の試合や夏までの成長を追ってみたいと思わせるものは持っていた。

広陵打線では、３番の　内海 優太（３年）右翼手の、全く内角を開かずに長打を放つバッティングには光るものがあった。４番で注目の　真鍋 慧（２年）一塁手も、長いリーチを活かし大型でも脆さがないところは好いところ。また捕ってから全く無駄のない送球で１．８秒台後半を記録した　大山 陽生（３年）捕手も好選手だった。内海に関しては、森山同様に今後の試合や夏まで追いかけてみたいと思わせてくれるものを持っていた。またリリーフで登場してきた　松林 幸紀（３年）右腕も、１４０キロ前後の真っ直ぐに、鋭いスライダーを投げる力のある投手。こちらは大学経由だと思うが、神宮大会で１４６キロを記録した球速がさらに伸びてゆくようだと将来楽しみだ。

敦賀気比は、３安打に抑えられ持ち味が発揮できなかった。上加世田 頼希（３年）右腕は、U-15の日本代表メンバーで、入学時から期待されてきた才能の持ち主。１３５キロ前後の重い真っ直ぐに、外角に逃げrスライダーを振らせるのがうまい。しかし、将来性では打者ではないかとみている。投げない時には一塁を守ったりするが、走力などがないのがドラフト候補としては現時点で厳しいか？　１番の　浜野 孝教（２年）二塁手は、一人で２安打を放ちしぶとい打撃を魅せ、３番の　春山 陽登（３年）左翼手は、いい形でスイングできていて強打者の片鱗を見せてくれていた。

森山陽一朗（広陵３年）投手　１８１／８５　右／右
内海　優太（広陵３年）右翼　１８５／８３　左／左
真鍋　慧　（広陵２年）一塁　１８９／８９　右／左
大山　陽生（広陵３年）捕手　１７０／７４　右／右
松林　幸紀（広陵３年）投手　１７５／８３　右／右

上加世田頼希（敦賀気比３年）投手　１８０／８０　右／右
浜野　孝教　（敦賀気比３年）二塁　１７８／７３　右／左
春山　陽登　（敦賀気比３年）左翼　１７６／７６　右／右