2022年 大学選手権レポート4
2022/06/10|Category:テレビ・動画観戦
大会二日目・神宮球場第三試合 東海大札幌 VS 環太平洋大
東海大札幌の先発・渡部 雄大(東海大甲府出身・4年)左腕は、135キロ~140キロぐらい驚くほどのものはないが、緩いカーブをアクセントに威力のあるチェンジアップを武器にしている。なんとなく 星野伸之(元阪急)を彷彿とさせるような掴みどころのない投球をするサウスポーで、もう少し真っ直ぐに訴えかけてくるものが出てくると、相手としては気持ち悪いタイプだけに面白い存在になりそうだ。
環太平洋大では、最後に投げた 辻 祐希斗(関大北陽出身・4年)右腕が良かった。真っすぐは、140キロ~中盤ぐらいと力強い。ややボールにバラツキがあるのは気になったが、追い込んでからのナックルカーブのような威力のあるボールが効果的で興味深い。こちらも決め手のある投手だけに、もう少しまとまりが出てくるという可能性を感じさせてくれた。
渡部 雄大(東海大札幌4年)投手 178/80 左/左
辻 祐希斗(環太平洋大4年)投手 178/78 右/左
大会二日目・神宮球場第四試合 東北福祉大 VS 九州共立大
九州共立大の先発・稲川 竜汰(折尾愛真出身・1年)右腕は、立ち上がりは高めに抜けていたものの、2回以降徐々に落ち着きを取り戻した。それでも制球はかなりアバウトな印象で、高めに集まりやすい球筋でも、相手が打ち損じてくれるだけのボールの力を有する。球速は、140~140キロ台中盤ぐらいで、スライダーとのコンビネーションで、たまに落差のあるフォークも投げてくる。荒れ球が、かえって的を絞り難くしていたのかもしれない。実はこの投手、昨年春に北九州市民球場で確認している。まだ故障明けで、130キロ台前半ぐらいだったが、意外に荒っぽそうに見えて、投球ができる投手なのだなと印象だった。いずれにしても最終学年までに、何処まで自らを高めて行けるかだろう。
また打者では、4番の 梁瀬 慶次郎(長崎日大出身・3年)一塁手の打撃が光った。ボールの呼び込み方が上手い上に、打球が極めて鋭い。最終学年で、守備位置にもう少し融通性を持たせることができれば、打撃はプロ級の素材ではないのだろうか。
東北福祉大の先発・細川 拓哉(明秀日立出身・4年)右腕は、ベイスターズの 細川 成也 の実弟。小さめなテイクバックから常時145キロ前後(MAX149キロ)の真っ直ぐやスライダーやツーシームを低めに集めて、ゴロを打たせるのが持ち味。そういった粘っこい投球が持ち味で、もう少し引き出しを増えたら、プロ入りも見えてくるかもしれない。
リーグ三冠王にも輝いた 杉澤 龍(東北出身・4年)中堅手は、上体をうまく残してレフト方向にはじき返すなど、その打撃の片鱗を魅せてくれた。ミートポイントが確かで、スイングも鋭い。この試合では、守備・走塁のレベルがよくわからなかったものの、プロ志望届を提出すれば、何かしらの形で指名されるのではないかという気がする。
また、リリーフで登場した 堀越 啓太(花咲徳栄出身・1年)右腕は、力投派のスリークォーター。常時150キロ前後を記録する球速の持ち主で、ガンガン真っ直ぐで押し最速154キロを記録。少々荒っぽさはあるが、スライダーのブレーキも良かった。順調にゆけば、最終学年には 大勢 (関西国際大-巨人)級の存在になっても不思議ではない。チームでは、3年生ながら主将を任されるなど、チーム関係者の信頼も厚い。
稲川 竜汰(九州共立大1年)投手 183/87 右/右
梁瀬慶次郎(九州共立大3年)一塁 178/91 右/左
細川 拓哉(東北福祉大4年)投手 176/85 右/右
杉澤 龍 (東北福祉大4年)中堅 175/80 右/左
堀越 啓太(東北福祉大1年)投手 183/90 右/右
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