2022年夏 甲子園レポート3
2022/08/11|Category:テレビ・動画観戦
大会2日目・第二試合 星稜 VS 愛工大名電
星稜の先発・マーガード 真偉輝 キアン(3年)投手は、立ち上がりから制球が定まらず、高めに浮いた球などを名電打線に捉えられた。140キロ前後の球威のある真っ直ぐに、カットボール・スライダー・ツーシームなど動かすボールで詰まらせるのが元来の姿。しかし、動かす球を武器にする投手に必須な、低めに集めるということができなかったのが早々降板する要因となった。この夏のマーガードは、この試合に限らず県大会から調子はイマイチで、状態が上がらないまま本番を迎えてしまった。それでも肉体的なスペックには余力を感じさせるのと、相手としては対峙し難い嫌らしいタイプであるのは変わりない。内容的には指名ボーダーラインだと思うが、本人がプロ志望ならば、下位~育成あたりの指名があっても不思議ではないだろう。
一方の名電の先発・有馬 伽久(3年)左腕は、立ち上がりから140キロ前後の真っ直ぐ~中盤を記録するなど、真っすぐの球威・球速はいつも以上だった。ちょっと飛ばし過ぎたことが、後半戦の失速につながったのかもしれない。この真っ直ぐを中心に、スライダー・チェンジアップ系を織り交ぜ、経験豊富なマウンドさばきも相まって試合を作って行けた。プロ志向ならば有力な指名候補になりうるサウスポーだったが、早くから進学との話を訊いており、4年後に上位候補としてドラフト戦線に戻ってきて欲しい一人だ。
星稜の2番手で投げた 武内 涼太(2年)右腕は、秋以降ドラフト候補として注目されそうな右の本格派。オーソドックスなフォームながら、常時140キロ前後~中盤の球速を記録。スライダーやチェンジアップを織り交ぜるが、甘い球を勢いづく名電の各打者達が逃してくれなかった。この経験を糧に来夏までに精進すれば、北信越を代表する投手として、高校からのプロ入りも意識できそうな素材だった。
また野手でも 3番・齊賀 壱成(2年)遊撃手が、キビキビした動きとキッチリはじき返す打撃は選抜同様に光るものを持っていた。また試合途中からマスクをかぶった 近藤 真亜久(2年)捕手など、打席での雰囲気を持った「打てるキャッチャー」であり、二人とも新チーム以後はドラフト候補として気にして行きたい。上級生では、4番の 若狭 遼之助(3年)中堅手の打球も強さも光っており、上のレベルでの活躍が期待される。
愛工大名電では、伊藤 基佑(3年)遊撃手 と 山田 空暉(3年)一塁手が光る。伊藤 は、ボールの呼び込み方が上手く、強打のショートストップ。球際での守備も悪くない。山田は感性を感じさせる打者で、この試合では登板こそなかったものの、投手としても大化けしそうな可能性を秘めていて、大学では投手に専念したらどのぐらいになるのか? いずれにしても共に強豪・名門大学あたりで野球を続けて行ける素材で、4年後再びドラフト候補として名前を聞くことになるかもしれない。
点差こそ開いた試合となったが、両チームタレント揃いの大型チーム。名電は3年生に人材が多く、星稜は下級生に楽しみな選手が多かった。後々の野球界に、影響を及ぼしそうな選手たちが多数いそうな試合だった。
有馬 伽久(愛工大名電3年)投手 175/75 左/左
伊藤 基佑(愛工大名電3年)遊撃 172/76 右/左
山田 空暉(愛工大名電3年)一塁 183/80 右/右
マーガード真偉輝 キアン(星稜3年)投手 186/90 右/右
武内 涼太(星稜2年)投手 183/77 右/右
齊賀 壱成(星稜2年)遊撃 172/70 右/右
近藤真亜久(星稜2年)捕手 183/80 右/右
若狭遼之助(星稜3年)中堅 176/81 右/右
大会2日目・第三試合 鶴岡東 VS 盈進
試合途中からマスクをかぶった、鶴岡東の2番打者・土屋 奏人(3年)捕手の長打力が光った。この選手は、春は4番を打っており、「2番・最強打者説」を重視するために、この打順にいるのだろう。一打席目から大きなファールを打っていて気になっていたが、続く打席で左中間スタンド中段に叩き込むパワーはすごかった。さらに4打席目にもレフトスタンドに叩き込むなど、打球の角度・飛距離は素晴らしい。捕手としてもどっしりとして、ミットがブレずに捕球できフレーミングも意識できていた。それでいてワンバウンド処理への反応や、ランナー背負ってからは立って返球するなど、やることはしっかりできていたことにも好感が持てた。プロ志望ならば、この打力を買って指名する球団が出てきても不思議はないというか、ボールを飛ばせるということに関しては、今年の高校生捕手の中でも屈指のレベルがある気がする。
盈進にドラフト候補はいなかったが、三拍子揃っていた 秋田 浩侑(3年)遊撃手と 山藤 龍希(3年)中堅手が気になった。秋田は、ボールさばきが良く、守備の動き、次の塁を陥れる走塁への意識も高かった。山藤 は、膝を柔らかく使い低めの球を上手く拾うのが上手かった。二人とも、大学などでのさらなる成長を期待してみたい。
土屋 奏人(鶴岡東3年)捕手 177/74 右/右
秋田 浩侑(盈進3年)遊撃 164/70 右/右
山藤 龍希(盈進3年)中堅 170/72 右/左
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