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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2022年 甲子園レポート6


甲子園3日目・第四試合 興南 VS 市立船橋

興南の先発・生盛 亜勇太(3年)右腕は、球威こそあまり感じられなかったものの、常時145キロ前後(MAXで148キロ)を記録するなど、スピード能力は大会でもトップクラス。横のスライダーと縦のスライダーだかフォークだかの沈む球もあり、適度なまとまりを持った好投手。高校からプロといった匂いはしなく、試合でも中盤以降捉えられていた。その辺の投球の奥行きや球威などを、大学などで磨いて行って欲しい。個人的には、昨夏から興南に良い投手がいるなと気になっていたのだが、秋や春は故障で登板できず。夏に、良い形で戻ってきて嬉しかった。

市立船橋では、2番手の 森本 哲星(3年)左腕。一塁側にステップし、地面の着きそうなところから足を一伸びすることで、打者としては球筋・フォーム的には合わせ難さがある。球速は135~140キロ強ぐらいと驚くほどのものはなかったが、球速以上に感じさせるボールの勢いも感じられた。曲がりながら沈むスライダーが低めに集まるのも良いところで、プロ志望届を提出予定だとか。ひょっとすると何処かのチームが、育成あたりで指名してくるかもしれないと思わせるものはあった。6回2/3イニングを投げて、6三振・無失点で抑えるなど、チーム逆転の原動力となった。

関東を代表する強肩捕手と知られる 片野 優羽(市立船橋3年)捕手は、どっしりとして構えでミットがブレないキャッチングは良かった。タイムこそ1.9秒前後の送球だったが、地肩の強さを活かし見事な捕殺も。少々投手への返球などプレーが荒っぽいところは気になるが、投げやすい形で構えられているのも良いところ。また打っても二安打を放ち、特に左中間スタンド中段に叩き込んだ当たりはお見事。下位~育成あたりまで視野にいれれば、高校からのプロ入りも現実味を帯びてくるのではないのだろうか。

興南の 盛島 稜大(3年)も、注目の大型捕手。昨年に比べると、キャッチングなども良くなり、だいぶ捕手らしくなってきた。気になるのは、低めの球を上からかぶせたがることが多いキャッチング。ワンバウンド処理には無難に対応できていたが、足回りがけして機敏なタイプではない。また送球も、2.0秒前後かかっており、プロの捕手としては物足りない。パワフルな打撃が最大の売りだが、この日は上手く外角低めの球を拾ってのセンター前ヒット一本にとどまり、パワフルな打撃を印象づけるまでには至らなかった。スケールは感じられるものの、まだまだプレーの確実性が低く、大学などでその才能を伸ばすのには時間が必要そうだった。スイングの形などでは、リチャード(ソフトバンク)のような、豪快なスイングに可能性を感じさせるのだが・・・。

また身体能力抜群の  禰覇 盛太郎(興南3年)中堅手は、三拍子高い能力を持ったアスリート系。上手さを魅せ、この日も3安打を記録。高校からプロの匂いはしないが、大学でどのぐらいの成績を残せるのか注視して行きたい将来のドラフト候補だった。

生盛亜勇太(興南3年)投手 177/74 右/左
盛島 稜大(興南3年)捕手 185/93 右/右
禰覇盛太郎(興南3年)中堅 176/75 右/右

森本 哲星(市立船橋3年)投手 175/72 左/左
片野 優羽(市立船橋3年)捕手 183/95 右/右

大会4日目・第一試合 三重 VS 横浜

横浜の先発は、昨年1年生ながら甲子園のマウンドを経験している 杉山 遙希(2年)左腕。球速こそ135キロ前後ぐらいだが、ボールにキレがあり、打者としてはそれ以上に感じられる球質。スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、安定感抜群でマウンドさばきも実に洗練されている。フォームもオーソドックスで、ボールにこれはという絶対的な球はないが、高い制球力と投球術が持ち味。来年のドラフト候補というよりは、有力大学などアマの王道を進んでゆきそうなタイプ。特にこの選手は、神奈川の決勝戦で強打の東海大相模打線のプレッシャーを耐え忍んだように、強い精神力が最大の売りではないのだろうか。

三重の先発は、同じく甲子園を経験している 上山 颯太(3年)右腕。こちらは、両サイドに140キロ前後の真っ直ぐを投げ込んでくる。適度に勢いのある速球で内角を突tきつつ、カーブをアクセントに、スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜてくる。ドラフト候補といった凄みは感じられないが、強豪大学で活躍して行けそうな確かな実力の持ち主。高めの真っ直ぐを振らせるのが持ち味でもあるが、それが甘く入ることも多いので、その辺を大学などで磨いて4年後のプロ入りを目指して欲しい。

横浜高校では、選手宣誓をした 4番の 玉城 陽希(3年)捕手。ジェスチャーを交え、投手と対話しながら試合を組み立てて行けるタイプ。ボールさばきにもテンポがよく、投手がリズムに乗りやすい。高めを使ったインサイドワークで、ディフェンス面には光るものがあった。残念ながら打撃ではアピールできなかったが、強豪大学でもすぐに入って行ける、レベルの高い選手ではないのだろうか。またチームをまとめる、強力なリーダーシップも光った。

また昨年1年生ながら甲子園を経験した 緒方 漣(2年)遊撃手も、実に野球を良くわかっている。キビキビした動きのショート守備は、全国でもトップクラス。深いところからでも、送球が乱れずにダイレクト送球するなど小柄でも地肩の弱さは感じられない。打撃もツーベース放つなど、ミート力とパンチ力を秘めている。しいていえば、塁間4.6秒台(左打者換算で4.35秒強に相当)の脚力が、あまり無さそうだといったところだろうか。

三重高校も、最終打席にツーベースを放ち存在を示した 高山 亮太(2年)捕手や、動きの良い守備を魅せていた 田中 聡真(1年)遊撃手など、今後が楽しみな下級生がいた。

杉山 遙希(横浜2年)投手 180/82 左/左
玉城 陽希(横浜3年)捕手 172/76 右/右
緒方 漣 (横浜2年)遊撃 169/69 右/右

上山 颯太(三重3年)投手 182/80 右/右
高山 亮太(三重2年)捕手 170/75 右/右
田中 聡真(三重1年)遊撃 166/55 右/右

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