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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2022年夏 甲子園レポート7


大会4日目・第四試合 県岐阜商 VS 社

県岐阜商は、主力投手二人とセンターラインの野手がいずれもコロナ感染でベンチから外れる異常事態。そんな中、二番手で登板した 小林 希(2年)右腕が、コンスタントに140キロ台(MAX144キロぐらいか)の速球を投げ込み、今後に可能性を感じさせた。ただし、力みからか制球が乱れ、秋以降そういった部分が解消できるかに懸かっている。

社の注目は、初戦では登板がなかったものの、2戦目の二松学舎大付属戦でリリーフ登板した 芝本 琳平(3年)右腕。少々腕が突っ張って投げるアーム式の投法ながら、コンスタントに140キロ台の速球を投げられるドラフト候補。変化球は、スライダー・カーブ・チェンジアップなどを織り交ぜてくるも、この日は全体的にそういった球が高かった。また自慢の真っ直ぐも球速は出ていたものの、勢いは県大会の時に比べると物足りなかった。指名となると微妙かなと観ていたが、この試合の内容をみるとワンクッション置いた方が良いのかなといった印象はうけた。

小林 希(県岐阜商2年)投手 176/84 右/右

芝本 琳平(社3年)投手 178/73 右/右

甲子園5日目・第一試合 大阪桐蔭 VS 旭川大高

大阪桐蔭の先発・川原 嗣貴(3年)右腕は、選抜大会以後の春季大会ではさらに球威を増してきたと評判だった。しかし、この夏の大阪大会ではイマイチで、その状態を引きずったままの登板といった感じ。ボールのキレ・細かい制球力とイマイチで、収まりの悪さを実感させられた。それでも140キロ台中盤を連発する真っ直ぐの角度・球威は、今年の候補にはいないタイプ。2戦目の登板となった二松学舎大付属戦では、9回を6安打・1四死球・8三振 と初戦に比べると元来の彼らしいピッチングを取り戻していた。まだまだ未完成な部分は残るが、スペック的には今年の高校生投手でも一番ではないのだろうか。特にこの角度や球威は、木製バット相手の方が行きそう。プロの指導・環境で、どのぐらいの選手になるのか楽しみは尽きない。ドラフト的には、2、3位ぐらいが基本線ではないかとみている。

一方の旭川大高の先発・池田 翔哉(3年)右腕も、なかなかの好投手だった。球速こそ140キロ前後ぐらいだったが、縦に割れるスライダーを武器に、大阪桐蔭打線を苦しめた。他にもフォークなどもあり、縦の変化を低めに集めて振らせたり引っ掛けさせるのが持ち味か。制球などが安定しているので、大学などでさらに実戦力・筋力・球速などが引き上げられると面白い存在になりうるかもしれない。

また旭川大高では、2番手の 山保 亮太(3年)右腕は、最速143キロを記録するなど将来楽しみな投手。フォームにも奥行きを感じさせ、上のステージでしっかりした環境で野球を続けて行ければ、4年後ドラフト候補に浮上していても不思議ではないスペックの持ち主。打っては 藤田 大輝(3年)三塁手が、川原投手の球威・球速を全くに苦にしない振りは力強かった。三塁手としての動きもよく、こちらも上のステージで野球を続けて欲しい潔い振りをする強打者だった。

大阪桐蔭では、松尾 汐恩(3年)捕手が、野球がよくわかっている選手との印象を受けた。けして好機でも、自分が決めようという無理なバッティングはせずに、センターから右方向に逆らわず打ち返す。また、長打を狙っても良い場面では、しっかりホームランを連発するあたりは、大阪桐蔭の中でも野球脳は一枚抜けているように思える。昨秋あたりは、まだ荒っぽくて捕手はどうかな?というイメージあったものの、今年になりキャッチングには成長が感じられ、リードも考えてプレーができていた。強肩ぶりは全国でも指折りの存在だし、これだけ攻守にバランスのとれている捕手は数年に一人現れるかどうかのレベルではないのだろうか? 1位でも捕手をという需要があるのならば、文句なしの1位候補に浮上してきたように思える。

そんななか、ポテンシャルを伸び伸び育んできたのは 海老根 優大(3年)中堅手。スタンドインできるパンチ力に加え、大型でもしっかり中堅を守れる守備力を有する。また地肩はプロで売りにできるレベルにあり、走力も悪くない。まだまだ成長途上の選手ではあるが、極端に脆いとか粗さもなく3位前後の指名があっても不思議ではないように思える。これだけのロマン型ながら、プロでも中堅を任せられそうな守備力の持ち主なので、我慢して起用してくれそうなのも大きい。

1番を打つ 伊藤 櫂人(3年)三塁手は、鋭い打球を連発し、スタンドインできるパンチ力を秘めている。三塁手としての動き、肩も悪くない。また、最後のイニングに登場した 別所 孝亮(3年)右腕は、この日は力みで成長が不安だった。それでも元来は、低めの良いところにズバッと決められる爽快感がある投手で、夏の大阪大会では川原よりも状態が良かった。ただし、川原が角度や球威で甘い球を打ち損じされやすいタイプなのに比べると、別所は良いところに決まらないと打ち返されやすい傾向にある。それだけ投げミスが許されないタイプでもあり、個人的には二人は強豪・名門大学などを経由してからの方が良いのではないかという印象を持っている。この試合での登板こそなかったが、前田 悠伍(2年)左腕も変わらず健在であり、秋以降高校球界を引っ張ってゆく存在になってゆきそうだ。

川原 嗣貴(大阪桐蔭3年)投手 188/85 右/左
松尾 汐恩(大阪桐蔭3年)捕手 178/76 右/右
伊藤 櫂人(大阪桐蔭3年)三塁 178/78 右/右
別所 孝亮(大阪桐蔭3年)投手 183/87 右/右
前田 悠伍(大阪桐蔭2年)投手 180/78 左/左

池田 翔哉(旭川大高3年)投手 182/79 右/右
山保 亮太(旭川大高3年)投手 184/81 右/右
藤田 大輝(旭川大高3年)三塁 169/74 右/左

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