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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2022年 甲子園レポート11


大会8日目・第一試合 有田工 VS 浜田

浜田の先発・波田 瑛介(2年)左腕は、球速こそ130キロ前後ながら、それ以上に感じさせるキレのある球を投げ込むスリークォーター。特に、低めに切れ込むスライダーやチェンジアップを振らせるのが上手く、将来はかなりの実戦派に育ちそう。高校からプロといったスケール型ではなく、先輩の和田毅(ソフトバンク)のように大学などに進み実戦力を磨きをかけ、実績を残すことで評価されてゆくタイプではないのだろうか。

また野手では、一番の 中野 拓実(3年)遊撃手の、動きの好い守備が光った。動きだけでなく、スローイングが実に安定しているところに好感が持てる。こちらも高校からプロというよりも、その高い守備力を生かして、アマチュア球界の高いところで長く活躍してゆける選手になれるかもしれない。

一方の有田工業では、4番の 角田 貴弘(2年)一塁手は、選抜同様に荒削りながらパワフルな打撃に将来性を感じさせる強打者候補。また、1番を打つ 塚本 侑弥(3年)投手は、その投球よりも投手ながら一番を任される野球センスと、振りの良さが目立った。卒業後は、野手に専念したらどのぐらいの打者になれるのか興味深い。

波田 瑛介(浜田2年)投手 176/68 左/左
中野 拓実(浜田3年)遊撃 167/67 右/左

角田 貴弘(有田工2年)一塁 178/84 右/右
塚本 侑弥(有田工3年)投手 168/69 右/右

大会8日目・第二試合 九州学院 VS 帝京五

九州学院の先発・直江 新(2年)右腕は、140キロ前後の伸びのある真っ直ぐを中心に、カーブ・スライダー・ツーシームように沈むスプリットを織り交ぜてくる。立ち上がりから制球に苦しむも、変化球を多く織り交ぜることで4回以降立ち直ることができた。高卒プロとかそういったタイプではないが、すでに140キロ台を連発できるなど、秋以降新チームで注目を浴びる存在になるかもしれない。

また打者では、1番を打つ 柔らかいリストワークを活かした 大城戸 陸琥(2年)中堅手の対応力が光った。さらに左打席から、4.0秒前後で駆け抜ける俊足の持ち主でもある。注目のヤ村上(ヤクルト)弟こと、村上 慶太(3年)一塁手も、相変わらずキッチリボールを捉えられない歯がゆさは残るものの、それでもヒットにしてしまったり、流した打球が外野の頭を超えるなど、潜在能力の片鱗を感じさせてくれる。育成あたりならば、その可能性を評価して指名してくる球団が出てきても不思議ではない。

帝京五では、3番の 岩来 太陽(3年)一塁手の鋭いスイングが印象的だった。結果的には第一打席の右中間へのツーベース一本ではあったものの、同チームでは最も将来性を感じさせる打者。一塁手ということで守備でのアピールは薄いが、一塁到達4.45秒強(左打者換算で4.2秒台に相当)ぐらいと、けして動けない選手ではない。上のステージでは、他のポジションを担って存在感をアピールして頂きたい。

九州学院も帝京五も、各打者の打撃レベルは高く、名前をあげた選手以外にも大学などで頭角を現す選手も出てくるかもしれない。

直江 新 (九州学院2年)投手 175/68 右/右
大城戸陸琥(九州学院2年)中堅 165/70 右/左
村上 慶太(九州学院3年)一塁 190/94 右/左

岩来 太陽(帝京五.3年)一塁 178/78 右/右

大会8日目・第三試合 智弁和歌山 VS 国学院栃木

今大会最後の登場となった智弁和歌山は、下級生の頃から注目されてきた 武元 一輝(3年)右腕が先発。大型で球速などは下級生のときから非凡なものがあったものの、微妙に収まりの悪さなどがあった。しかし、最終学年になってだいぶ投手らしくなってきており、マウンドさばき、制球力なども向上。球速は、常時140キロ~中盤ぐらいと大きくは伸びていなかったものの、指にかかった時の148キロのボールには今後の可能性の片鱗が感じられる。変化球は、カーブ・スライダー、また縦の変化も縦スラななのか? そういった球も見られた。まだまだ成長途上ではあるものの、右の速球派として志望届を提出すれば、本会議の中での指名があるのではないのだろうか。

またこの選手、打者としての可能性も取り沙汰されてきた。しかしだいぶ投手らしくなった一方、野手としての色彩は薄れた印象。それでも第一打席にライトに大きな打球を飛ばすなど、才能の片鱗は魅せてくれた。元々大型の割に、器用な打撃をする選手との印象で、むしろ角度がついた打球を飛ばしせたのは好印象。左打席から4.15秒前後と、走力に関しては平均的。やはり上のレベルで勝負するとなると、まずは投手としてではないのだろうか。

捕手の 渡部 海(智弁和歌山3年)捕手は、地肩の強さに甘んじることなく、捕ってから素早い送球には目をひくものがあった。ミットを構えた時にも小さくかがめて、投手に的がつけやすいように構えることができ、キャッチングにもフレーミングなど工夫の跡だけでなく、しっかりブレずに止めることができている。打撃でも確実性とパンチ力を兼ね備えており、攻守のバランスのとれた捕手。プロ志望ならば、下位~育成あたりでならば指名してくる球団が出てくるかもしれない実力の持ち主だった。

また、初戦での登板がなかった 中川 真乃介(国学院栃木3年)右腕は、少し体を捻るフォームで開きを遅らせる工夫がみられる。球速もコンスタントに140キロを越えてきており、140キロ台中盤まで出し重い球をどんどん投げ込んできた。まだマウンド経験が不足している印象で、2イニング目から制球がブレ出すなどスタミナ面も不安。そういった意味では、高校からプロというよりも大学などでワンクッション置いてからのプロ入りを目指すのが得策ではないのだろうか。面白いものを持っているので、今後も気にかけてみたい隠れた存在だった。

また国学院栃木では、初戦でもヒットを連発していた 長田 悠也(2年)遊撃手が、この日もレフトやセンター方向に鋭い打球を連発し4安打を記録。腰の回転を活かした引っ張って巻き込む打撃を得意とし、スイングにもスケールの大きさを感じさせる。またショートしての動きもまずまずで、地肩の強さには目をひくものがあった。180センチ台の大型ショートでもあり、来年のドラフト候補としてマークしてゆきたい。

武元 一輝(智弁和歌山3年)投手 187/86 右/左
渡部 海 (智弁和歌山3年)捕手 179/80 右/右

中川真乃介(国学院栃木3年)投手 186/86 右/右
長田 悠也(国学院栃木2年)遊撃 182/81 右/右

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