2023年 選抜レポート8
2023/03/25|Category:テレビ・動画観戦
大会5日目・第三試合 東海大菅生 VS 徳島城東
東海大菅生は、8回から注目の 日当 直喜(3年)右腕が登場。リリーフでの登板ということもあり、ほとんど速球で押すピッチングだった。球速は、MAXで148キロを記録し、その球速以上に重たい球威が目立っていた。そのため空振りを誘うというよりは、完全に詰まらせる球質。とにかくこの日は、力で押すことに終始していたので、投げ終わったあとバランスを崩すなど制球面はもう一つ。このへんは、次戦以降に先発で変化球も含めてどうなるのか見極めてみたい。それでも、これだけの球速の投手は今大会いなかっただけに、中位(3位~5位)ラインでは見ることができ、今後の内容次第では上位に位置づけられるようになるかもしれない。
大会2戦目の投球となった沖縄尚学戦では、変化球を多く交えるピッチングに一変してきた。カーブ・スライダーに加え、少しチェンジアップ気味なフォークも有効で、9回を7奪三振・3四死球で完投勝利に導いた。力で押すだけの投手ではないというところも魅せ、緒戦で魅せた制球の粗さも改善されていた。そういった意味では、力と技のバランスにも優れ、高校生離れした馬力も加味すると、上位候補としてマークできる存在ではないかと思われる。
菅生では、1番の 沼沢 梁成(3年)中堅手も、ベースラニングの速さが際立った。二塁到達タイムが、8.0秒前後を記録するなど、走力は一級品。打っても2安打・1四球 と、勝利に貢献した。また4番を打つ 北島 蒼大(3年)捕手も、打席での結果は出なかったが気になる選手だった。捕手ながら、右打席から 4.25秒前後(左打者換算で4.0秒前後に相当)する脚力など、動きの良さと粘れるミートセンスが光る。次戦以降のプレーに、期待してみたい。
城東の方では、清重 登揮(3年)右腕が、球速こそ130キロ台中盤ぐらいも、手元でのキレが良く菅生の各打者が振り遅れる球質が光った。横滑りするスライダーにもキレがあり、投手としてのセンスの良さが感じられる。また、加統 蒼真(3年)中堅手は、右打席から4.15秒前後(左打者換算で3.9秒前後に相当)する脚力に加え、センターから送球で捕殺するなど、地肩も強い身体能力が高い。また2番の 吉田 優(3年)遊撃手も、左打席から4.0秒前後の俊足であり、ボールをはじいても冷静に処理する、守備の方でも目立つものがあった。
日当 直喜(東海大菅生3年)投手 190/98 右/右
沼沢 梁成(東海大菅生3年)中堅 176/66 右/右
北島 蒼大(東海大菅生3年)捕手 172/71 右/右
清重 登揮(城東3年)投手 180/71 右/右
加統 蒼真(城東3年)中堅 172/70 右/右
吉田 優 (城東3年)遊撃 166/63 右/左
大会6日目・第一試合 報徳学園 VS 健大高崎
健大高崎の先発・小玉 湧斗(3年)右腕は、立ち上がりから高めにボールが抜けることが多く制球に苦しんだ。それでも4回ぐらいから力みが薄れ、徐々に低めに140キロ台(MAX143キロ)の速球が決まるようになってきた。変化球もカーブ・スライダー・チェンジアップなども織り交ぜ、総合力に優れている。甲子園の雰囲気になれた2戦目以降の投球も観たかったが、惜しくも初戦での敗戦は残念。現状高校からプロというよりも、大学などでの成長を期待してみたい素材ではあったが楽しみな選手だった。
一方の報徳学園の先発・盛田 智矢(3年)右腕も、将来が楽しみな正統派。球速こそ130キロ台後半であったが、雄大なフォームから投げ下ろして来るボールは秋よりも球威が感じられた。立ち上がりから内角を厳しく突くなど、高い精度の制球力があるのも特徴。ブレーキの効いたカーブ・スライダー・フォーク系などの球もあり、総合力で勝負してくる。イメージ的には、有力大学に進んで4年後に上位指名でのプロ入り、そんな青写真を描きたくタイプだった。
高校からプロとなると、 堀 柊那(報徳学園3年)捕手。きめ細かいところまで意識がゆく、捕手らしい捕手。フットワークやワンバウンド処理など、足回りも素軽い。ただ、高校球界屈指と言われる1.8秒前後スローイングでは、焦って投げてしまい制球を乱す場面も。またプレーも、意外に丁寧にといったタイプではない印象は受けた。打撃に関しては、長打で魅了するというよりも、右方向にはじき返す実戦的なタイプ。高校NO.1捕手の評価に異論はないものの、1位指名でといったほどのインパクトは感じなかった。現状は、2位・3位ゾーンぐらいでみてゆきたい内容だった。
その他報徳の選手では、低めの球をうまく拾っての本塁打など3本のヒットを放った 石野 蓮授(3年)右翼手。ただし、右打席から4.6秒台(左打者換算で4.35秒強ぐらい)の脚力は物足りなく、ライトからの送球もそれほど目立つものはなかった。そういった走・守をみていると、高校からプロ入りといった意味ではどうだろうか? また7番打者の 竹内 颯平(3年)遊撃手の、守備での動きの良さは目立っていた。試合でも2安打を放つなど貢献していたが、こちらも打撃や走力を考えると、大学での成長次第といった感じだろろうか。
健大高崎では、1番の 増渕 晟聖(3年)中堅手の脚力が目立った。右打席から 4.15秒前後(左打者換算で3.9秒前後)で駆け抜ける走力があり、守備に関しても悪く無さそう。上のレベルで、打撃に磨きがかかるかどうか。また、4番の 箱山 遥人(2年)捕手は、レフト方向へ2本のヒットを放つなど、下級生ながら存在感を示した。まだ先輩とのバッテリーということで遠慮があるのか? やや自分の色が出せていない。まだキャッチングやフットワークなど、もう少し素軽さが欲しい。しかし、秋以降はドラフト候補としてプロからも注目される存在になりうるのではないのだろうか。
小玉 湧斗(健大高崎3年)投手 174/68 右/右
増渕 晟聖(健大高崎3年)中堅 171/63 右/右
箱山 遥人(健大高崎2年)捕手 175/83 右/右
盛田 智矢(報徳学園3年)投手 187/92 右/右
堀 柊那(報徳学園3年)捕手 179/76 右/右
石野 蓮授(報徳学園3年)右翼 180/85 右/右
竹内 颯平(報徳学園3年)遊撃 175/65 右/右
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