2023年 平塚合宿投手編レポート3
2023/06/22|Category:観戦記
下村 海翔(青山学院大4年)投手 174/73 右/右 (九州国際大付出身)
春のリーグ戦では、3勝0敗 防 0.85(2位) と、チームメイトの 常廣 羽也斗 よりも充実した内容を魅せていました。大学選手権では、常廣が状態を上げてきた一方で、下村はやや一辺倒なところと合わされやすさを露呈した部分がありました。大学選手権を終えた直後でしたが、力投派の下村にとっては得意な舞台。平塚のガンでは150キロを記録し、マイガンでも91マイル・146キロに到達し、ボールの威力はさすがでした。下村の良さは、これだけの力投派でありながら、ボールを両サイドや低めに決められるところ。大きく横滑りするスライダーに、カーブで緩急を利かせつつ、チェンジアップだかフォーク系の球を織り交ぜてきます。素材としての奥行きはあまり感じられませんが、ハートの強い選手でガンガン押してくるタイプ。その勢いで、追加招集ながら代表メンバーに選出されました。ドラフトでは、2位前後あたりのゾーンでの指名が期待されます。また、比較的完成されている部分もあり、ある程度即戦力として一年目から期待できそうなタイプです。
西舘 勇陽(中央大4年)投手 185/79 右/右 (花巻東出身)
有力な1位候補として迎えた今春でしたが、序盤戦はなかなか勝てずに苦しみました。シーズン終盤になって、調子を上げての終了となりました。そのため今シーズンは、2勝4敗 防 3.43(9位) と、平凡な成績でした。ボールにバラツキは感じられたものの、平塚での登板では92マイル・148キロを記録。真っすぐの勢い・威力はさすがといった感じで、ゆるいカーブやスライダー系の球を織り交ぜます。制球の粗さトさや一辺倒なところがあり、プロとなると先発よりリリーフタイプといった感じがします。好調時には150キロ台中盤を叩き出せるポテンシャルは、今年の候補の中でも冨士(平成国際大)と、この西館ということになります。1位指名となると微妙ですが、数年後にはクローザークラスへの成長を期待もできる選手で、上位指名される公算は高いです。けして、何処か痛かったというよりは、変則フォーム故に狂いを修正しきれなかったといった春でした。
古謝 樹(桐蔭横浜大4年)投手 181/75 左/左 (湘南学院出身)
リーグ戦で生で見たときは、足場も悪く140キロ台前半ぐらいでした。しかし、大学選手権、あるいは今回の平塚ガンでも150キロを超える球速を魅せていました。マイガンでも90マイル・145キロを記録し、確かに真っ直ぐで押せるボールの威力は、左腕でも目立つものがあります。変化球は、スライダー・カーブ・チェンジアップなど、特にスライダーでの三振が目立ちます。本当の制球力がないので、時々甘く入った球を打たれるケースがみられます。まとまっていそうで、結構アバウトなところがあり、その辺をボールの勢いで見落としがちになりますが注意したいところです。現状の充実ぶりから、上位指名も期待される存在ですが、もう少し今後もどうなのか見極めたいところです。個人的には、3位前後ぐらいの選手だとみています。しかし、左腕で150キロ投げるということで、2位以内での指名があっても不思議ではない状況になってきました。日本代表メンバーにも選ばれて、国際大会でどのような投球を魅せるのか注目されます。
常廣 羽也斗(青山学院大4年)投手 180/73 右/右 (大分舞鶴出身)
開幕前から有力な1位候補と目されていたものの、春のリーグ戦では途中で離脱したりして、3勝0敗 防 1.44(5位)と絶対的な内容ではありませんでした。しかし、続く大学選手権で調子をピークに持ってくることに成功。そこでの好投で、1位指名を大きく引き寄せた形です。大学選手権の決勝登板から日が間もないということで、92マイル・148キロぐらいは出ていたものの、やや状態は下がり気味。それでも、カーブ・チェンジアップ・フォークなどを織り交ぜ、バランスのとれたところを魅せていました。唯一、今回の選出メンバーの中で、1イニングのみの登板で終えそのまま代表入りを決めました。昨年まではリリーフでしたが、元来投球センスのある先発タイプ。恐らく国際試合でも、チームの先発を託されることになるのではないのでしょうか。イメージ的には、森下暢仁(明大-広島)のときを彷彿とさせます。本当の意味での体の強さ・体力という意味で不安があるので、投球の完成度・総合力は二桁を意識できるものがあると評価しますが、それが実現できるのかは秋をみて判断したいところです。それでも、有力な1位候補であるのは疑いようがありませんが。
滝田 一希(星槎道都大4年)投手 183/77 左/左 (寿都出身)
地方リーグ屈指のサウスポーといった位置づけで、3勝0敗 防 1.40 という好成績で全国大会に駒を進めてきました。上下動の激しいフォームで、制球にバラツキが激しいところは気になります。この日は91マイル・146キロぐらいでしたが、真っすぐの強さという意味では目立っていました。変化球もスライダー・チェンジアップの曲がりも鋭く、特に大きな変化をするチェンジアップに特徴があります。ただし、この球が110キロ台と極めて球速が遅く、真っ直ぐと見分けがつかないというわけではないので、長い目でみると慣れられてしまう恐れはあるのかなといった気がします。そういった部分と制球の危うさを考えると、1位で指名するのにはちょっと怖いかなと思える部分はあります。それでも左腕であることを考えると、ハズレ1位~2位の間ぐらいでは指名されるのではないかと感じました。イメージ的には、濱口遥大(神奈川大-DeNA1位)と、重なるものがあります。
- 関連記事
スポンサーサイト
- テーマ : アマチュア野球観戦(独立リーグ含む!)
- ジャンル : スポーツ