2009年 首都リーグ秋
2009/10/18|Category:観戦記
こちらのブログで書き込むことも少なくなってしまったのですが、今日は平塚に首都リーグを観に行って参りました。すでにプロ志望届けの提出が終わり、今日出場するチームには提出者がいないなど、ドラフト的な観点では興味の薄い試合でしたが、来年・再来年に向け中々面白い観戦でした。
第一試合 東海大VS城西大
東海大の先発は、今やジャパンのクローザー的な存在にまで成長した大学球界を代表する速球派・菅野智之(東海大相模出身 2年)右腕。今日は、スピードガンを忘れてしまっての観戦でしたが、コンスタントに145キロ前後でMAXでは150キロ近く出ていたのではないかと言うボールに勢いのある内容でした。すでに自分の投球が出来れば打たれないと言う自信なのか、テンポ好く気持ちよく投球しておりました。ちなみに、この投手の速球は、剛球と言うよりは、ビシッとミットに納まる快速球タイプです。
変化球は、カーブ・スライダー・カットボール・フォークボールあたりでしょうか。コースを投げ分けるような細かいコントロールはないのですが、ストライクゾーンにポンポンと投げ込み、制球・リズム共に好かったです。首都リーグでは抜けた存在で、今後も何処まで成績を伸ばすのか注目だと思います。ただボールがみんな高いので、その辺がプロレベルの打者相手にする時にどうなのかな?と言う気は致しますが、すでにドラフトにかけたら上位12名に入るだけの力量がある投手だと思いました。
その他では、来年のドラフトに向けて伊志嶺翔大(沖縄尚学出身 3年)中堅手に注目。確かにこの選手、塁間4.25秒強(左打者換算で3.95秒強)ぐらいで、非常にスピード感のある走塁をします。塁に出てもすかさず盗塁を試みるなど走塁を売りにする選手です。ただ今日見ていて思ったのは、意外に最初の一歩目が遅く、言われているほど実戦的な走力の持ち主なのかな?と言う疑問を感じました。またこのタイプにしては、右打者なのも残念です。
けしてプレーへの意識も低い選手だとは思いませんが、まだプロの選手と言う意識の部分で「鋭さ」を感じません。また打撃も少々弱く、来年ドラフト候補には当然名前があがる選手だとは思いますが、個人的には物足りないなと言うのが率直な感想です。全日本でも常連の選手ですが、心身ともにワンランクレベルアップを望みたいです。
菅野が余裕で抑えて大量リードだったため、東海大は投手を交代。そんな中最後に、昨年ドラフト候補だった
赤間謙(東海大山形出身 1年)投手が登場。コンスタントに140キロ前後(こちらは部員のガンで確認)を記録し、MAX142キロまで到達。スライダーとのコンビネーションで、テンポの好い投球を披露しておりました。短いイニングなんで、もう少し出るかなと思いましたが、現在はこんなものといった感じです。それなりに力のある投手なので、これからの活躍を期待したい楽しみな投手でした。
城西大では、3番を打つ宮崎雅史(柳川出身 3年)遊撃手に注目。フットワーク・スピード感はそれなりの遊撃手で、地肩も悪くない選手です。塁間も4.4秒弱(左打者換算で4.1秒弱に相当する基準以上の脚力。打撃が少々弱い印象ですが、ミートセンスは悪くないように思えました。首都を代表する遊撃手として、来年も引き続き注目したいと思います。
その他城西大では、小原卓也(会津農林出身 2年)右腕という投手が気になりました。恐らく135~後半ぐらいは出ていると思います。オーソドックスな右腕ですが、腕が振れているのとボールの勢いは悪くなく、スライダーとのコンビネーションが光りました。今後、首都を見る時には注目してみたい投手です。
ただ城西大、このまま行くと大東文化大との入れ替え戦になりそうです。ただ来春も、ぜひ一部でみたいと思わせるチームなので、維持を魅せて欲しいですね。
第二試合 筑波大 VS 日体大
この試合は、4回ぐらいで帰ってしまったのですが、両軍の野手に目が行きました。首都の4年生で唯一ドラフト候補だと言えたのが、山本洋平(別府鶴見丘出身 4年)遊撃手。以前も触れたと思うのですが、この選手プレーへの意識が明らかに他の選手と違います。指先まで緊張感の伝わるプレースタイルで、プレーのスピード感、動作の切り返し、他の野手への指示など、まさに遊撃手としてチームの司令塔的な存在です。塁間4.3秒前後(左打者換算で4.0秒前後)の脚力もまずまずの持ち主。
今日は思わぬトンネルもしていましたが、遊撃守備も非常に上手いです。フットワーク・キャッチングなども好いのですが、少々テイクバックが小さめなので地肩も強いのですが、少々スローイングの精度に不安は残ります。打撃は、ネクストにいる時から、意識が高いのが目につきます。2季連続首位打者に輝いたように当てるのは上手いのですが、まだスイング自体は弱いかなと言う印象は否めません。残念ながらプロ志望届けは提出いたしませんでしたが、スイングに強さが出てくれば、将来プロも充分意識出来る選手です。何処の社会人で野球を続けてくれるものと信じておりますが、2年間で志し高く持ってもらい、プロに来て欲しいナイスガイです。
日体大も、一番を打つ 高橋秀作(戸畑商出身 4年)遊撃手が目立ちました。こちらは、山本とは対照的なタイプの遊撃手で、攻守に粗いのですがポテンシャルの高さで圧倒するタイプです。特に深いところからのスローイング・地肩の強さには目を見張るものがあります。ただ将来的には、三塁や外野タイプといった感じで、スピード感・細かさには欠ける傾向にあります。
打撃も強いスイングが出来るタイプですが、早めに足を引き上げブレずに踏み込める選手。意外にアベレージ傾向があり、春のリーグ戦では3位の.324厘をマークしたそうです。少々社会人レベルだと対応に苦労しそうな気もしますが、攻守にスケールのある選手なので、今後も社会人で見る機会があったら注目してみたい選手でした。
打撃では、有澤翔(高岡商出身 3年)DHが目立ちました。この選手、バットが振れる選手で、パンチ力も中々のもの。ボールにもついて行けるミート力と長打力を兼ね備え、打つことに関しては日体大でも一番魅力を感じました。ただDHでの出場とのことで、元来の外野手としてのレベルがどうなのかな?と言う疑問は残りました。ただ来年もある選手なので、今後も注目してみたい存在です。
(最後に)
意外に首都リーグと言うのは、家から近い会場で行われるので、いつでも見られると思い、中々本気で見に行かない傾向があり、いい加減になってしまっているのは反省です。関東でも六大学・東都に次いで選手の集まるリーグでもあり、よ~く見ると、中々力のある選手が多いです。来週は、もう少し真面目に足を運びたいと感じました。じっくり見れば、好い選手も少なくないなと言うのを、改めて感じた一日でした。
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