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甲子園大会五日目レポート

第一試合 龍谷大平安 VS 旭川工業

龍谷大平安の先発は、田村 嘉英(3年)右腕。184/83 と恵まれた大会の持ち主で、下級生から活躍してきた好投手。球速は、135~140キロぐらいの球速帯と際立つものはないが、ボールに手元まで伸びや勢いがあり、更に球威も兼ね備えた大人の球質。まさにボリューム感のある、プロ向きの球だと言えよう。それにスライダーに、落差の小さなチェンジアップなフォークを多投する。

課題は相手の旭川工業打線が殆ど左打者だったのもあるのだが、制球力がアバウトな点。また相手の空振りを奪えるほどの、絶対的な球種は持ち合わせいない。ただ馬力もある素材だけに、大学などでは大きく伸びる可能性があり、むしろ将来は150キロ近い剛球に投手に変貌するかもしれない。どういった進化を、今後も遂げて行くのか注目したい。

旭川工業の先発・官野 峻稀(3年)左腕は、125~130キロ程度と球威・球速に際立つものはないが、右打者内角を厳しく突く強気の投球が身上。そうかと思えば、スクリューなどで内外角を生かした幅広いピッチングを披露する。普段は、曲がりながら落ちるスライダー中心に、投球を組み立ててくる。左投手ながら、まとまりのある実戦型。ただ甘くないコースの球でも振りぬかれてしまうところが、今後の大きな改善ポイントか。いずれにしても地方大学などで、野球を続けて行くタイプではないのだろうか。

この試合の注目は、なんといっても 高校NO.1スラッガーの呼び声高い 高橋 大樹(龍谷大平安3年)右翼手。昨年までは、腕力を生かした強引なばかりに左中間に引っ張ってる打球が目立ったが、今大会では火の出るような当たりを右方向に放つなど、打撃の幅を大きく広げたことを印象づけた。すでに打球の速さは群を抜いており、ドラフト指名は確実だろう。問題は故障した肩の回復具合。試合でのスローイングを見ると、まだまだ影響がないとは言えないので、この辺の見極めが評価に影響しそう。その問題さえなければ、走力も兼ね備えた高い身体能力もあり高い評価でプロ入りすることになるのではないのだろうか

その他平安では、井沢 凌一郎(3年)中堅手や久保田 昌也(3年)一塁手など、高橋以外の打者達の打力も目立っていた。特に井沢は、身体能力も高く中堅守備も安定しているので、プロ側からも注目を浴びる。今後の試合も含めて、その能力を見極めて行きたい。

旭川工業も、三拍子バランスの取れた 岸本 大志(3年)遊撃手が、センター中心に鋭くはじき返す打撃が目立った。守っても深いところから刺せる強肩を生かし、安定した遊撃守備を魅せる核弾頭。4番の生田 雄也(3年)捕手も、攻守のバランスの取れた好捕手だった。いずれも大学などで、躍を期待したい好選手。

この試合は、改めて 高橋 大樹 がモノの違いを見せた試合であり、井沢 凌一郎 中堅手が、面白い選手である選手だと言うことを印象づける形となった。


第二試合 東海大甲府 VS 成立学園

この試合では、春季関東大会で観戦した時に、関東NO.1投手はこの投手ではないかと評価した 神原 友(東海大甲府3年)右腕が先発。関東大会の時は、常時140キロ台~中盤のストレートで圧倒し、低めのスライダーを振らせる投球で隙無しの内容でした。

やや山梨大会の終盤では、疲れからか精彩を欠いていた印象でしたが、甲子園ではだいぶ復調してきたように思えます。球速は、常時140~MAX144キロぐらいでしょうか、重い速球で相手を詰まらせます。関東大会の時よりも、ボール全体が高かったり甘い球も少なくなかったのですが、持ち前の球威で痛打を浴びません。更に低めのスライダーを活かすピッチングは健在でした。

この投手の良さは、一見粗そうに見えますが試合をまとめられるセンスに優れた剛球投手だと言うこと。すでに投手としての肉体・技術的な完成度は高いので伸びしろという意味では不安は残りますが、総合力では今大会でも上位クラスの投手であるのは間違いないでしょう。志望届けを提出すれば指名は確実だと思うのですが、進学が濃厚だと聞いております。甲子園で自信をつけたら、進路にも変化が出てくるでしょうか?

成立学園の先発は、谷岡 竜平(2年)右腕。こちらは体格にも恵まれ、すでにMAXで142キロを記録するなど、秋以降東京を代表する逸材として注目されそう。横滑りするスライダーだけでなく、縦の変化を覚えたことでピッチングの幅が広がってきました。今後何処まで伸びるかは微妙ですが、注目選手であることは間違いないでしょう。

打者では、1年生の頃から高橋 周平(中日)の後継者として期待されてきた 渡辺 諒(東海大甲府2年)遊撃手が、全国デビュー。この試合では、強烈なスイングは魅せたものの、結果的にはヒット一本と地味な内容に留まった。しかし遊撃守備では、周平以上の動きの良さと安定感を魅せ、先輩よりも走力と守備力では、すでに上を行く素材ということを実感させられる。豪快な一発も撃てるスケールの大きな打者であり、来年世代ではトップクラスの逸材。今後も目の離せない大物だと言えよう。

また成立学園の 岩成 亮祐(1年)遊撃手も、一打席目に技ありの三遊間ヒットを魅せたりと2安打を放った。何より一年生離れした安定した遊撃守備も誇り、こちらも将来楽しみな好選手。

この試合では、神原がドラフト中位級の内容を示し、谷岡・渡辺・岩成の下級生が、将来に向け非常に楽しみな存在であることを印象づけた試合であった。


第3試合 光星学院 VS 遊学館

遊学館の先発は、背番号3をつけた黒萩 幸生(3年)左腕は、遊学館らしい綺麗なフォームから投げ込む正当派左腕。球速こそ130キロ前半ぐらいだが、キレのあるストレートを武器に、スライダー・スクリュー・カーブと一通り交えて来る。気になるのは、武器であるはずのスライダーが高めに甘く浮き、その球をことごとく打たれていた部分。もう少し変化球を低めに集められれば、ストレートは捉えられる場面が少なかっただけに残念。体格も180/75 と意外に恵まれており、大学などで更に実戦力を増して行けるようだと面白いだろう。

光星学院の先発も、背番号4をつけた 城間 竜兵(3年)右腕。選抜の時よりもストレートの球威・球速を増し、ビシッとキャッチャーミットに収まり速球に見栄えがするようになってきた。小さく横滑りする実戦的なスライダーに、フォーク・カーブなどコースに散らし、相手に的を絞らせない。こちらは 172/75 と小柄ながら、すでにある程度完成されているので 大学や社会人でも比較的早い段階で実戦投球できる総合力がある。大学などよりも、社会人あたりでの方が面白いかもしれない。

遊学館は、2番手にエースの 平井 翔也(3年)右腕が登場。球速は135~140キロぐらいだが、打者の手元まで力が落ちないストレートは魅力。他にも、スライダー・スピリット気味に沈む球・カーブなど織り交ぜ、小柄ながら力のあるところを見せた。大学などでの、更なる成長が期待される好投手。三番手の大崎 隼人(2年)右腕も、小さめのテイクバックながら、ボールの威力は3人の中でも一番ではないのだろうか。新チーム以後、北信越では注目される存在になりそうだ。

また遊学館の野手では、1番の 谷口 一平(3年)遊撃手が目立っていた。1年生の頃から活躍してきた選手で、ボールへの対応力と鋭いスイングが光る。遊撃手としての動きも素早いが、地肩が強くないのかちょっと厳しい体勢になるとスローイングが乱れるのが課題。将来的には、二塁あたりの方が向いているかもしれない。攻守にセンスがある選手だけに、大学などでも重宝されそう。

やはりこの試合の注目は、光星学院の3,4番コンビ。3番の 田村 龍弘(3年)捕手の対応力は極めて高い。高校生レベルならば、どんな投手相手でも互角に持ち込める技術がある。今大会は、右方向への意識が強く、もう少し強引に引っ張っても良いのかなと思える部分も感じるが。捕手としても違和感なくプレーできるまでになってきたが、何がいい?と言われると困ってしまう。プロに入っても、最初は捕手として適正が見極められるが、やがて打撃を活かしてコンバートといったタイプだろうか。二塁あたりがこなせるようだと面白い。打撃技術的には全国屈指の打者であり、恐らく中位での指名ということになるのではないのだろうか。

またこの試合でも、センターバックスクリーンに叩き込んだ4番の 北條 史也(3年)遊撃手。選抜の時のような強引な引っ張りは陰を潜め、センター方向に打ち返そうという意識になり力みが消えた。外角低めの球でもセンターバックスクリーンに叩き込めるパンチ力があり、遊撃手としても荒削りながら素早い動きに磨きがかかった。攻守にレベルが高く、上位24名(2位指名)以内は確実であり、高校時代の先輩・坂本(巨人)よりも攻守の完成度では上を行くだろう。打撃の迫力では高橋(平安)・対応力では同僚の田村よりも劣る印象はあるが、走攻守の総合力の高さでは、彼が最も高い評価を受けるのではないのだろうか

(大会五日目を振り返って)

この日は、大挙して有力選手が集結した一日だと言えよう。特にドラフト中位~上位指名確実な、北條・田村・高橋の3人の野手が出場し、更に来年の上位候補である 渡辺(東海大甲府)遊撃手も出場していたのだから。更にプロ志望届けを提出すれば、ドラフト指名確実なレベルの神原(東海大甲府)投手に、井沢(龍谷大平安)あたりも含めて、ドラフト候補といえる面子だった。この日は、ドラフト的観点で言えば、大会屈指の一日だったのではないのだろうか。

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