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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2012年プロ野球ドラフト会議の感想3


日ハム

1位 大谷 翔平 投 花巻東
2位 森本 龍弥 内 高岡第一
3位 鍵谷 陽平 投 中央大
4位 宇佐美塁大 内 広島工
5位 新垣 勇人 投 東芝
6位 屋宜 照悟 投 JX―ENEOS
7位 河野 秀数 投 新日鉄住金広畑

1位の大谷翔平(花巻東)投手の指名に関しては、何処まで外堀を埋めた上での指名だったのかは気になるところ。昨年の菅野指名もそうだったが、相手側の信頼を得るには相当な時間をかけなければ、中々信頼は勝ち得ない。その部分無しに、別の方向に向いている人間を振り向かせるのは至難の業であり、突然指名されても拒否反応が強いのではないのか? 特に日ハムは、あまり自由枠時代にそういったスカウティングをしてこなかったドライな球団。逆にそれが、こういった交渉時には裏目に出るのではないかという不安は残る。素材としては、何度も書いてきた通り、今までのアマ球界にはいなかったほどの器の選手。ただ危うい側面も同居し、そういった選手を良い方向に導くことに関しては、12球団でも指折りの球団ではないかと思うのだが・・・

2位の森本 龍弥(高岡第一)内野手の評価は、ここまで高いのには驚いた。実際に見たことがない選手なので詳細はわからないが、映像を見る限りバッティングに関しては楽しみな大型内野手。ただ守備に関しては非常に不安であり、将来的には三塁もしくは外野という選択になるのではないのだろうか。確かに強打者だが、スラッガーではなく、強力な打球で野手の間を抜けて行くタイプとの印象を受けたのだが。ぜひイースタンで、生でそのプレーを見てみたい。強くバットを振れるというのが、彼の最大の強味。

鍵谷 陽平(中央大)投手は、澤村の後輩にあたり、先輩チックな150キロ近いストレートは圧巻。ただその球を長く持続させるだけの技術・体力・精神面に欠けているので、本当の意味での戦力になるには、数年かかるかもしれない。爆発している時の能力を平均して出せれば、プロでも大活躍できるだろう。宇佐美塁大(広島工)三塁手は、まだプレーは荒っぽいが、技術的にはシッカリしており、守備・走力とのバランスも取れた好選手。少し時間はかかりそうですが、素材としては面白い強打者だと思います。ただ森本も宇佐美も三塁手タイプであり、将来的にはどちらか外野を視野に入れているのだろうか?

5位の新垣 勇人(東芝)投手は、年々課題を克服し総合力を高め、プロで通用する領域まで達しました。特に以前ほどの球速はありませんが、その分制球の甘さがなくなり、縦の変化で勝負できる投手に。現状、先発でもリリーフでもある程度やれる力があり、特にリリーフではセットアッパーどころかクローザーへの期待も担えます。個人的には27歳ですが、イチオシの選手。6位の屋宜 照悟、7位の河野 秀数に関しては、一軍投手陣の刺激剤にはなると思いますが、何かもう一つプロで見出して行かないと、即戦力になり得るのかは難しいかなと思っています。

大谷選手を除けば、将来への内野手補強と、社会人選手で現有戦力を刺激するという指名ですね。大谷選手の最高評価の他、新垣の一年目からの活躍が気になります。5位指名ですが、パ・リーグの新人王候補の一人ではないのでしょうか。


西武

1位 増田 達至 投 NTT西日本
2位 相内  誠 投 千葉国際
3位 金子 侑司 内 立命館大
4位 高橋 朋己 投 西濃運輸
5位 佐藤  勇 投 光南
育成枠
1位 水口 大地 内 四国・香川

1位の増田 達至(NTT西日本)投手は、今年スポニチ大会と都市対抗で見ましたが、その時の内容は物足りないものでした。知り合いのスカウトによると、この2つの時期はよくなく、それ以外の試合が素晴らしかったとのことで、このような最高評価になったと訊きます。ただ好不調の波が激しい選手なのか、プロの長いシーズンを想定すると不安な気が致します。真の戦力になるには、数年後かもしれません。

相内  誠も、まだまだ伸びそうな素材としての奥行きに春から期待しておりましたが、夏は不十分な内容で終わりました。素材としての面白味はありますが、精神的にもまだまだ子供で、プロの一線まで上がって来るのには時間がかかりそう。まあ一生懸命はやる子なので、導き次第では大化けするかもしれません。

金子 侑司(立命館大)遊撃手は、立命館宇治時代に☆☆☆☆で絶賛した外野手。立命館大に進んで遊撃に専念しましたが、遊撃手としては平均的で、打撃は4年間で伸びませんでした。現状は足が一番の自慢でありますが、これもスタートの鋭さに欠けるので、プロで走れるようになるには少し時間がかかりそう。元々持っているポテンシャルの高さを、プロの指導でいかに掘り起こすことができるのかと。いずれにしても一軍戦力としては、数年先の選手かと。高橋 朋己(西濃運輸)も、ルーキーイヤーでは素晴らしいボールを投げていましたが、今年はやや変則になりボールの勢いが落ちました。元々は145キロ級を連発できる左腕でしたが、実戦力と球の威力のバランスをプロで上手く取れるようになるのかがポイントでしょうね。少し彼も、ファームでの育成が必要では。佐藤  勇(光南)投手も、凄みのある球を投げるのではなく、コースを丹念に突く安定した制球力と粘り強い投球が身上の実戦派左腕。育成の水口は今年見ていると思いますが、パッと思い出せないので近いウチにメモをみてレポートを作成したいと思います。

個人的には、即戦力としてよりも数年先を見越した指名であるように思います。いずれも現時点での力では厳しく、西武の育成力が問われます。ただ元々持っているものは良い選手も多いので、上手く導けばこの中からチームを支える存在が、数人出てくるのではないのでしょうか。戦力の充実している西武だからこそ許される指名であり、即戦力が欲しい球団という観点ならば、あまり評価できない指名だったと思います。


ソフトバンク

1位 東浜  巨 投 亜大
2位 伊藤 祐介 投 東北学院大
3位 高田 知季 内 亜細亜大
4位 真砂 勇介 外 西城陽
5位 笠原 大芽 投 福岡工大城東
6位 山中 浩史 投 Honda熊本
育成枠
1位 八木 健史 捕 BC・群馬
2位 大滝 勇佑 外 地球環境
3位 飯田 優也 投 東農大生産学部
4位 宮崎  駿 外 三重中央大

1位の東浜(亜大)投手は、言わずと知れた大学NO.1。ただ肘痛を誤魔化し誤魔化し来ているので、果たしてより厳しい環境であるプロで、その身体が持つかどうかが一つ心配のタネ。ただ額面どおり力を発揮するのならば、プロでも開幕ローテーションで、7,8勝級~10勝ぐらいの活躍は充分期待できるのでは。天性の投球センスと、プロでも中々見られる独特のツーシームにはプロの打者でも苦しむはず。

伊藤(東北学院大)左腕は、球威・球速よりも球のキレで勝負するタイプ。スライダーとのコンビネーションがハマっている時は、素晴らしい投球を魅せてくれる。ただ完全にお山の大将タイプで、結構日によってムラがあるのが気にところ。完成度が高い割に、一軍定着に時間がかかった、森福の時を思い出す。能力的には、左のローテーション・中継ぎとしての活躍も期待できる能力はあるのだが・・・

高田 知季は、柔らかいグラブ捌きをいかした遊撃守備が売り。走力も悪くないが、打力の弱さが大きなネック。ボールを捉えるセンスは悪くないが、合わせるようなバッティングをしてしまうので、プロ仕様の強い打球が打てるようになるのかがポイント。真砂 勇介(西城陽)外野手は、森本稀哲タイプのバランスの取れた外野手。守備・肩・走力のバランスは揃うが、打撃の対応力が粗く時間はかかりそう。

笠原 大芽(福岡工大城東)投手は、最終学年は映像でしか確認できなかったが、昨年よりも上半身をシャープに使えるようになってきた。ただ評価は、かなり落ちており素材を重視した指名なのだとか。山中 浩史(HONDA熊本)投手は、下手投げながらストレートで押す速球派。プロでも殆どいない球筋だけに、一年目からの活躍が期待される。ただ渡辺俊介や牧田のいるパ・リーグよりも、本当はセ・リーグの方が面白いのではないのだろうか。

育成の八木(BC群馬)捕手は、肩だけはバカ肩で、問題は打撃などそれ以外の部分。今年は見られていないが、その辺がどのぐらい成長したか気になるところ。大滝 勇佑(地球環境)外野手は、守備・走力はプロ級で、あとは打撃がどのぐらいプロで伸びるか。飯田 優也(東農大生産学部)左腕は、以前何処かで見たことがあるような気がするが、パッと思い出せないのでメモを調べてみたい。宮崎  駿(三重中京大)外野手も、大学選手権で今年見ているはずなので、再度映像を見なおしてレポートを作成予定。

ソフトバンクの場合、大隣・摂津に続く投手が一枚は欲しかっただけに、そういった意味では非常に大きな補強ではないのだろうか。2位の伊藤が、どのようにチームに絡んで来るのかは想像し難いが、アンダーハンドの山中は、一年目から一軍での活躍が期待される。そういった意味では、投手陣の底上げには期待できる陣容。

野手に関しては、数年先を見越した指名と言えそうだ。3位以下がモノになるかは微妙だが、バランスの取れた良い指名ではないかと思える面子は揃っている。個人的には、1,2位の左右コンビの今後が気になるところ。

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