95・96 2012年 神宮大会観戦レポート2
2012/11/05|Category:観戦記
今回も、神宮大会レポートの第二弾
大会初日・神宮球場第三試合 三重中京大 京都学園大
今年で学校が閉校になり、最後の世代となる三重中京大。最大の注目は、則本 昴大(八幡商業出身)右腕。6月の大学選手権では、生涯随一の投球を披露して、一気に上位候補に浮上。問題は、ベストでないときのピッチングではどうかということ。その疑問を持ち始めたのは、夏の法大とのオープン戦で変化球が決まらず苦しんだ投球を見たから。この日も145~150キロ級のストレートは、素晴らしい。特にこの投手、ピンチになればなるほど、勝負どころで投げるストレートは絶妙なとこにズバッと決まる。思いっきり腕を振っても、ストレートのコントロールはけして乱れない珍しいタイプ。ただ課題は、やはり変化球。特にスライダーやチェンジアップという球種が、高めに甘く入りやすかったり、決まらない欠点を持っている。それが、大学選手権では上手くコントロールできていた。この日も、左打者の真ん中高めにスライダーが甘く入るところを痛打。この甘さを、プロでも狙われないか心配。それでも要所では、開き直って最大の力を発揮する能力は、まさにリリーフに打ってつけといったタイプ。一年目から 田島 慎二(東海学園大出身-中日)級の活躍は期待できるだろう。
またソフトバンクから育成枠で指名された 宮崎 駿(三重中京大)中堅手も注目。大学選手権では下位打線ながら、松葉 貴大(大体大-オリックス1位)から本塁打を放つなど注目された。この日は、二番・中堅手として出場。この日は、セカンドゴロ内野安打や低めの球に上手く合わせてセンター前、それにライト前へと三安打。ただどのヒットも、それほどピンと来る内容ではなかった。特に試合前練習での守備や肩もそれなりといった感じで、走力も際立って速い印象は残らなかったのだが・・・。むしろこの試合では、1番を打った 高橋 孝司(4年)二塁手の快速ぶりの方が目立っていた。
京都学園大では、実績充分の 稲垣 将大(米子松蔭出身 4年)右腕が先発。球速は、135~141キロぐらいだったが、スライダーを中心に投球を組み立てていた。恐らく社会人などでも、野球を続けるだろう好投手。むしろ注目度では、2番手の 白濱 尚貴(明豊出身 3年)左腕。178/65 ながら、手足の長い投手体型の左腕。フォームや切れのある球筋も良いのだが、球速が130~135キロぐらいで、あと一歩球威・球速が物足りない。ピッチングもできる投手だし、スジの好い投球フォームに来年のドラフト候補への期待も高まるが、このひと冬でワンランク球威・球速が伸びてくることが一つ条件になりそう。
野手では、則本の149キロのストレートをものともしない力強いスイングが魅力の 宮下 一歩(地球環境出身 2年)一塁手のスイングが目立っていた。
大会初日・神宮球場第四試合 道都大 VS 福岡大
道都大の先発は、佐藤 峻一(オリックス2位)投手。3月のオープン戦での観戦では、法政戦で素晴らしい投球を披露。これで、上位指名は揺らがないと評価した選手。ただ大学選手権では、今一歩の内容だった。この日の佐藤も、立ち上がりは制球が定まらず不安定な内容。しかし2イニング目以降、徐々に調子をあげていった。この日の神宮のガン表示は厳しく常時140~145キロぐらいの球速が中心であったが、私のガンではコンスタントに145キロ前後~後半をマークするなど、ボールの勢い・威力は相変わらず素晴らしい。
この選手の課題は、ボール全体が真ん中~高めに集まること。特にスライダーやフォークといった球種が甘く浮いて来ることが多い。この日もこの傾向は顕著であり、一つ一つのボールは素晴らしいものの、全体としてのまとまりは今一歩。やはりこの選手、即戦力というよりは、一年ぐらいファームで漬け込むことになるのではないのだろうか。また技術的な部分だけでなく、体力的な部分でも不安があり、プロの一年間を乗り越えるだけの体力面でどうだろうか?
私の知り合いによると、この選手の投球はマウンドの角度に大きく影響されるのではと。昨年素晴らしいピッチングを大学選手権で見せた時は、いずれも東京ドーム。しかし今年の大学選手権での投球は神宮球場。この2つの球場のマウンドの違いが、ピッチングに大きく影響しているのではと。東京ドームだと、フォークも法政戦のように低めで落ちていたことを考えると、なるほどその可能性はあると思って訊いていた。彼のホームグラウンドになるであろう大阪ドームは、彼に味方するだろうか。仮に一年目から活躍するとなると、現状はリリーフで短いイニングでの投球ではないのだろうか。
個人的には、今年の内野手でイチオシだったものの、まさかの巨人2位指名になったのが、大塁 進(道都大)遊撃手。やはり試合前練習時に魅せる足腰の強い踏ん張りの利くスローイングと、最初の一歩目の鋭さには目を見張るものがある。そして彼の最大の魅力は、プロで売りにできるであろう走力。この2つに関しては、間違いなく即戦力級。その一方で、打てる幅が限られている打撃が課題。けして非力ではなく、真ん中~内角よりの球を強く引っ張ったりセンター方向に打ち返す打撃はできる。ただ外角への対応・右打ちなどが今後の課題。プロの変化球について行くためにも、一軍で戦力になるには1,2年はかかるかもしれない。ただ坂本の控えである遊撃や二塁の人材が薄い巨人としては、上位でも確実に補強しておきたかったのだろう。
福岡大の先発は、行弘 剛(自由ヶ丘出身 2年)右腕。高校時代は、140キロ台を連発していた速球派。しかしこの日は、135~後半ぐらいと、先発ということもありピッチングが大人しくなった印象。しかしその分、試合を適度にまとめる能力はあり、球筋なども好いので全体のパワーアップを図れれば最終学年では面白い存在。
この試合は序盤で会場をあとにしたが、福岡大の1年生左腕・唐仁原 志貫(小林出身)左腕が、素晴らしい球を投げていたと評判に。確かに亜大戦のボールを見ていると、184/75 の大型左腕であり、140キロ台のストレートには非常に見るべきものがある投手。高校時代全く知らない投手だが、これから全国的にクローズアップされる一人ではないのだろうか。
また来年の候補としては、梅野 隆太郎(福岡工大城東出身 3年)が注目。抜群の強肩と打力は全国級。ただ自慢の肩は、今大会ややイニング間送球などは、おとなしめだった。ただ何処か痛めてないのならば、鬼肩の捕手なのでその辺はプロでも上位。また打力も、今年の伏見(東海大)以上のポテンシャルはあるだろう。
ただこの選手、キャッチングが雑だったり、捕手としての適正に関しては正直以前から気になっている。肩・打撃という身体能力などは素晴らしいが、投手から信頼される捕手になれるのかは疑問。ただ全日本の中心選手だけに、実績的には来年の上位候補の一人と言える存在ではないのだろうか。
大会初日・神宮球場第三試合 三重中京大 京都学園大
今年で学校が閉校になり、最後の世代となる三重中京大。最大の注目は、則本 昴大(八幡商業出身)右腕。6月の大学選手権では、生涯随一の投球を披露して、一気に上位候補に浮上。問題は、ベストでないときのピッチングではどうかということ。その疑問を持ち始めたのは、夏の法大とのオープン戦で変化球が決まらず苦しんだ投球を見たから。この日も145~150キロ級のストレートは、素晴らしい。特にこの投手、ピンチになればなるほど、勝負どころで投げるストレートは絶妙なとこにズバッと決まる。思いっきり腕を振っても、ストレートのコントロールはけして乱れない珍しいタイプ。ただ課題は、やはり変化球。特にスライダーやチェンジアップという球種が、高めに甘く入りやすかったり、決まらない欠点を持っている。それが、大学選手権では上手くコントロールできていた。この日も、左打者の真ん中高めにスライダーが甘く入るところを痛打。この甘さを、プロでも狙われないか心配。それでも要所では、開き直って最大の力を発揮する能力は、まさにリリーフに打ってつけといったタイプ。一年目から 田島 慎二(東海学園大出身-中日)級の活躍は期待できるだろう。
またソフトバンクから育成枠で指名された 宮崎 駿(三重中京大)中堅手も注目。大学選手権では下位打線ながら、松葉 貴大(大体大-オリックス1位)から本塁打を放つなど注目された。この日は、二番・中堅手として出場。この日は、セカンドゴロ内野安打や低めの球に上手く合わせてセンター前、それにライト前へと三安打。ただどのヒットも、それほどピンと来る内容ではなかった。特に試合前練習での守備や肩もそれなりといった感じで、走力も際立って速い印象は残らなかったのだが・・・。むしろこの試合では、1番を打った 高橋 孝司(4年)二塁手の快速ぶりの方が目立っていた。
京都学園大では、実績充分の 稲垣 将大(米子松蔭出身 4年)右腕が先発。球速は、135~141キロぐらいだったが、スライダーを中心に投球を組み立てていた。恐らく社会人などでも、野球を続けるだろう好投手。むしろ注目度では、2番手の 白濱 尚貴(明豊出身 3年)左腕。178/65 ながら、手足の長い投手体型の左腕。フォームや切れのある球筋も良いのだが、球速が130~135キロぐらいで、あと一歩球威・球速が物足りない。ピッチングもできる投手だし、スジの好い投球フォームに来年のドラフト候補への期待も高まるが、このひと冬でワンランク球威・球速が伸びてくることが一つ条件になりそう。
野手では、則本の149キロのストレートをものともしない力強いスイングが魅力の 宮下 一歩(地球環境出身 2年)一塁手のスイングが目立っていた。
大会初日・神宮球場第四試合 道都大 VS 福岡大
道都大の先発は、佐藤 峻一(オリックス2位)投手。3月のオープン戦での観戦では、法政戦で素晴らしい投球を披露。これで、上位指名は揺らがないと評価した選手。ただ大学選手権では、今一歩の内容だった。この日の佐藤も、立ち上がりは制球が定まらず不安定な内容。しかし2イニング目以降、徐々に調子をあげていった。この日の神宮のガン表示は厳しく常時140~145キロぐらいの球速が中心であったが、私のガンではコンスタントに145キロ前後~後半をマークするなど、ボールの勢い・威力は相変わらず素晴らしい。
この選手の課題は、ボール全体が真ん中~高めに集まること。特にスライダーやフォークといった球種が甘く浮いて来ることが多い。この日もこの傾向は顕著であり、一つ一つのボールは素晴らしいものの、全体としてのまとまりは今一歩。やはりこの選手、即戦力というよりは、一年ぐらいファームで漬け込むことになるのではないのだろうか。また技術的な部分だけでなく、体力的な部分でも不安があり、プロの一年間を乗り越えるだけの体力面でどうだろうか?
私の知り合いによると、この選手の投球はマウンドの角度に大きく影響されるのではと。昨年素晴らしいピッチングを大学選手権で見せた時は、いずれも東京ドーム。しかし今年の大学選手権での投球は神宮球場。この2つの球場のマウンドの違いが、ピッチングに大きく影響しているのではと。東京ドームだと、フォークも法政戦のように低めで落ちていたことを考えると、なるほどその可能性はあると思って訊いていた。彼のホームグラウンドになるであろう大阪ドームは、彼に味方するだろうか。仮に一年目から活躍するとなると、現状はリリーフで短いイニングでの投球ではないのだろうか。
個人的には、今年の内野手でイチオシだったものの、まさかの巨人2位指名になったのが、大塁 進(道都大)遊撃手。やはり試合前練習時に魅せる足腰の強い踏ん張りの利くスローイングと、最初の一歩目の鋭さには目を見張るものがある。そして彼の最大の魅力は、プロで売りにできるであろう走力。この2つに関しては、間違いなく即戦力級。その一方で、打てる幅が限られている打撃が課題。けして非力ではなく、真ん中~内角よりの球を強く引っ張ったりセンター方向に打ち返す打撃はできる。ただ外角への対応・右打ちなどが今後の課題。プロの変化球について行くためにも、一軍で戦力になるには1,2年はかかるかもしれない。ただ坂本の控えである遊撃や二塁の人材が薄い巨人としては、上位でも確実に補強しておきたかったのだろう。
福岡大の先発は、行弘 剛(自由ヶ丘出身 2年)右腕。高校時代は、140キロ台を連発していた速球派。しかしこの日は、135~後半ぐらいと、先発ということもありピッチングが大人しくなった印象。しかしその分、試合を適度にまとめる能力はあり、球筋なども好いので全体のパワーアップを図れれば最終学年では面白い存在。
この試合は序盤で会場をあとにしたが、福岡大の1年生左腕・唐仁原 志貫(小林出身)左腕が、素晴らしい球を投げていたと評判に。確かに亜大戦のボールを見ていると、184/75 の大型左腕であり、140キロ台のストレートには非常に見るべきものがある投手。高校時代全く知らない投手だが、これから全国的にクローズアップされる一人ではないのだろうか。
また来年の候補としては、梅野 隆太郎(福岡工大城東出身 3年)が注目。抜群の強肩と打力は全国級。ただ自慢の肩は、今大会ややイニング間送球などは、おとなしめだった。ただ何処か痛めてないのならば、鬼肩の捕手なのでその辺はプロでも上位。また打力も、今年の伏見(東海大)以上のポテンシャルはあるだろう。
ただこの選手、キャッチングが雑だったり、捕手としての適正に関しては正直以前から気になっている。肩・打撃という身体能力などは素晴らしいが、投手から信頼される捕手になれるのかは疑問。ただ全日本の中心選手だけに、実績的には来年の上位候補の一人と言える存在ではないのだろうか。
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