97・98・99 神宮大会レポート3
2012/11/06|Category:観戦記
今回は、大会二日目に観戦した3試合のレポートを。第四試合は、観戦致しませんでしたので、ご了承くださいませ。
大会二日目第一試合 県岐阜商 VS 仙台育英
この試合の注目は、旧チームから存在感を示していた 上林 誠知(仙台育英 2年)中堅手。184/77 の大型外野手ながら、自分のポイントを持っており、ボールを引きつけてそのゾーンの球は確実にはじき返す高い対応力が自慢。更に地肩も強く、守備も安定。走力もベースランニングが早く(塁間は4.2秒台だったが)と三拍子バランスの取れたプレーヤー。
この選手、下級生からの経験が豊富で試合の入り方がうまい。同年代相手ならば、見下ろしてプレーできる精神的余裕が感じれる。また野球への意識も高く、想像以上の好打者だった。少なくても来年は、ドラフト候補になるのは間違いない。
仙台育英では、1番の 熊谷 敬宵(2年)遊撃手は、すべての打席でボールを芯で捉えられるミートセンスに優れる。遊撃手としてもスピード感があり、あとはもう少し余計な動作を減らせると好いのだが・・・。
また先発の 鈴木 天斗(2年)右腕も、135キロ前後でカーブ・スライダー・チェンジアップを織り交ぜたオーソドックスタイプ。しかし右打者外角に決まるストレートの球筋もよく、このひと冬の間に伸びて来ると、宮城を代表する好投手として期待できそう。
県岐阜商では、4番の 竹中 裕紀(2年)一塁手の打球の速さが目立っていた。また先発した左腕・藤田 凌司(2年)は、圧巻のホームランをライトスタンドに叩き込むなど、むしろ野手の方が楽しみではないかと思える試合だった。
第二試合 関西 VS 安田学園
関西の先発 児山 祐人(2年)は、183/76 の大型左腕。球速こそ135キロ前後だが、ボールギリギリまで持っていられる抜群の球持ちの良さと、まず四球では崩れない制球力の良さは圧巻。特にことごとく、追い込むと右打者内角に投げ込むストレートで、フライの山を築いていた。変化球は、カーブ・スライダー・スクリューなど。ただスクリューを投げる時に、腕が身体から離れて出てくるなど、球種が見極められるのが課題。
この選手、一見粘っこい投球が身上の実戦派に見える。しかし3番を打つ打撃では、毎打席内角高めのストレートを打たされフライを連発。その学習能力の無さとボール球を使えないピッチングスタイルには不安を覚える。また味方のミスで気持ちが切れるなど、セルフコントロールも今後の課題。
とにかくこれだけ球持ちと制球の好い左腕は、全国でもいないのではないかと思えるほど。私が今まで見てきた関西の左腕の中では、歴代NO.1の投手ではないのだろうか。この一冬の間に更に球威・球速を増して来ると非常にドラフト戦線でも面白い素材。ただ先に述べたように、自分のピッチングを今後膨らませて行けるのか、その辺のセンスや頭脳に不安が残った。個人的には、今大会見た高校生投手では、彼が一番興味深い。
関西では、海野 裕介(1年)捕手も、中々の素材。173/73 とそれほど身体は大きくないが、雰囲気を持った捕手。肩もまずまずだし、右方向への対応力のある打撃もレベルは高い。今後中国地区を代表する捕手として、注目されてゆく素材だろう。
安田学園の 大金 真太郎(2年)右腕は、一見130キロ前後の何の変哲もない投手に見えるのだが、内外角に絶妙にコントロールできる制球力は素晴らしい。そのため非常に、考えられた配球を実現。安田学園は、試合前練習からわざと内野手が人工芝を意識したワンバウンド送球を行ったり、物凄く深いところまで戦術を追求しているチーム。
図抜けた選手はいないが、それを実現できるだけの組織野球ができるチーム。関東の中では大味なチームが多い東京において、かつてここまで組織的かつ高いレベルの戦術ができるチームがあったのだろうか?こんなチームが相手では、他の東京のチームがこの時期敗れるのは必然だろう。前評判が芳しくなかった安田学園だが、私には勝つべくして東京を勝ち抜いたチームのように見えた。問題は、夏に向けてどんどん能力をあげて来る他チームに対し、この戦術野球だけで勝ち残れるのか、その辺は今後の楽しみだとも言える。
第三試合 富士大 VS 国際武道大
この試合の注目は、全日本の4番を務める 山川 穂高(中部商出身 3年)一塁手。そのガッチリした体格、雰囲気はさすがのものを感じさせる。ただ始動が早く、打球を引っ張りきれない打撃を見ていると、こちらが期待するほど打球が上がらないタイプなのではないかという疑問を持った。
確かにこの身体だから、ツボにハマれば飛んで行くが、基本的には強い打球で野手の間を抜けて行くタイプ。まして統一球ならば、強引なぐらいに引っ張れないとホームランは出ない。そのことを考えると、ちょっとこの選手をスラッガーとして評価するのには慎重になった方が良さそうだ。
また富士大の先発は、多和田 真三郎(中部商出身 1年)右腕。昨年沖縄でも見た投手だが、今や富士大の絶対的エースに成長。スリークオーターから投げ込むストレートは、常時140
キロ台~MAX146キロ。カーブ・スライダー・シンカー・ツーシームと、球種も多彩。昨年見た時は、135キロぐらいで、試合をまとめて来る好投手。これで、球速が増せばなぁ と思ってみていた投手。その投手が、まさか一年もの間で、10キロ近く球速を伸ばして来るとは圧巻。それもこの試合では、ノーヒットノーランを達成した。
課題は、追い込んでからの決め手不足。ストレートでは意外に空振りが取れないのと、空振りを誘えるほどの変化球がなく、打者に粘られる傾向が強い。いずれにしても、地方の逸材として、今後も大学球界を牽引して行く一人だろう。
国際武道大では、全日本メンバーの 野中 祐也(銚子商出身 3年)遊撃手が注目。遊撃手としての動きや地肩などは悪くなく、俊足が売りの選手。ただこの選手、ボールをいつもポロポロ落とすなど、キャッチングが不安定なのが気になる。打撃もそれほど光るものはなく、ドラフト候補となり得るのかは微妙な気がするのだが・・・。
先発の 江川 恭介(東海大相模出身 2年)右腕も、130キロソコソコだが、コースを突く確かな制球力と球の切れには好い物がある好投手。来年は、武道の不動のエースとして君臨することになりそうだ。
大会二日目第一試合 県岐阜商 VS 仙台育英
この試合の注目は、旧チームから存在感を示していた 上林 誠知(仙台育英 2年)中堅手。184/77 の大型外野手ながら、自分のポイントを持っており、ボールを引きつけてそのゾーンの球は確実にはじき返す高い対応力が自慢。更に地肩も強く、守備も安定。走力もベースランニングが早く(塁間は4.2秒台だったが)と三拍子バランスの取れたプレーヤー。
この選手、下級生からの経験が豊富で試合の入り方がうまい。同年代相手ならば、見下ろしてプレーできる精神的余裕が感じれる。また野球への意識も高く、想像以上の好打者だった。少なくても来年は、ドラフト候補になるのは間違いない。
仙台育英では、1番の 熊谷 敬宵(2年)遊撃手は、すべての打席でボールを芯で捉えられるミートセンスに優れる。遊撃手としてもスピード感があり、あとはもう少し余計な動作を減らせると好いのだが・・・。
また先発の 鈴木 天斗(2年)右腕も、135キロ前後でカーブ・スライダー・チェンジアップを織り交ぜたオーソドックスタイプ。しかし右打者外角に決まるストレートの球筋もよく、このひと冬の間に伸びて来ると、宮城を代表する好投手として期待できそう。
県岐阜商では、4番の 竹中 裕紀(2年)一塁手の打球の速さが目立っていた。また先発した左腕・藤田 凌司(2年)は、圧巻のホームランをライトスタンドに叩き込むなど、むしろ野手の方が楽しみではないかと思える試合だった。
第二試合 関西 VS 安田学園
関西の先発 児山 祐人(2年)は、183/76 の大型左腕。球速こそ135キロ前後だが、ボールギリギリまで持っていられる抜群の球持ちの良さと、まず四球では崩れない制球力の良さは圧巻。特にことごとく、追い込むと右打者内角に投げ込むストレートで、フライの山を築いていた。変化球は、カーブ・スライダー・スクリューなど。ただスクリューを投げる時に、腕が身体から離れて出てくるなど、球種が見極められるのが課題。
この選手、一見粘っこい投球が身上の実戦派に見える。しかし3番を打つ打撃では、毎打席内角高めのストレートを打たされフライを連発。その学習能力の無さとボール球を使えないピッチングスタイルには不安を覚える。また味方のミスで気持ちが切れるなど、セルフコントロールも今後の課題。
とにかくこれだけ球持ちと制球の好い左腕は、全国でもいないのではないかと思えるほど。私が今まで見てきた関西の左腕の中では、歴代NO.1の投手ではないのだろうか。この一冬の間に更に球威・球速を増して来ると非常にドラフト戦線でも面白い素材。ただ先に述べたように、自分のピッチングを今後膨らませて行けるのか、その辺のセンスや頭脳に不安が残った。個人的には、今大会見た高校生投手では、彼が一番興味深い。
関西では、海野 裕介(1年)捕手も、中々の素材。173/73 とそれほど身体は大きくないが、雰囲気を持った捕手。肩もまずまずだし、右方向への対応力のある打撃もレベルは高い。今後中国地区を代表する捕手として、注目されてゆく素材だろう。
安田学園の 大金 真太郎(2年)右腕は、一見130キロ前後の何の変哲もない投手に見えるのだが、内外角に絶妙にコントロールできる制球力は素晴らしい。そのため非常に、考えられた配球を実現。安田学園は、試合前練習からわざと内野手が人工芝を意識したワンバウンド送球を行ったり、物凄く深いところまで戦術を追求しているチーム。
図抜けた選手はいないが、それを実現できるだけの組織野球ができるチーム。関東の中では大味なチームが多い東京において、かつてここまで組織的かつ高いレベルの戦術ができるチームがあったのだろうか?こんなチームが相手では、他の東京のチームがこの時期敗れるのは必然だろう。前評判が芳しくなかった安田学園だが、私には勝つべくして東京を勝ち抜いたチームのように見えた。問題は、夏に向けてどんどん能力をあげて来る他チームに対し、この戦術野球だけで勝ち残れるのか、その辺は今後の楽しみだとも言える。
第三試合 富士大 VS 国際武道大
この試合の注目は、全日本の4番を務める 山川 穂高(中部商出身 3年)一塁手。そのガッチリした体格、雰囲気はさすがのものを感じさせる。ただ始動が早く、打球を引っ張りきれない打撃を見ていると、こちらが期待するほど打球が上がらないタイプなのではないかという疑問を持った。
確かにこの身体だから、ツボにハマれば飛んで行くが、基本的には強い打球で野手の間を抜けて行くタイプ。まして統一球ならば、強引なぐらいに引っ張れないとホームランは出ない。そのことを考えると、ちょっとこの選手をスラッガーとして評価するのには慎重になった方が良さそうだ。
また富士大の先発は、多和田 真三郎(中部商出身 1年)右腕。昨年沖縄でも見た投手だが、今や富士大の絶対的エースに成長。スリークオーターから投げ込むストレートは、常時140
キロ台~MAX146キロ。カーブ・スライダー・シンカー・ツーシームと、球種も多彩。昨年見た時は、135キロぐらいで、試合をまとめて来る好投手。これで、球速が増せばなぁ と思ってみていた投手。その投手が、まさか一年もの間で、10キロ近く球速を伸ばして来るとは圧巻。それもこの試合では、ノーヒットノーランを達成した。
課題は、追い込んでからの決め手不足。ストレートでは意外に空振りが取れないのと、空振りを誘えるほどの変化球がなく、打者に粘られる傾向が強い。いずれにしても、地方の逸材として、今後も大学球界を牽引して行く一人だろう。
国際武道大では、全日本メンバーの 野中 祐也(銚子商出身 3年)遊撃手が注目。遊撃手としての動きや地肩などは悪くなく、俊足が売りの選手。ただこの選手、ボールをいつもポロポロ落とすなど、キャッチングが不安定なのが気になる。打撃もそれほど光るものはなく、ドラフト候補となり得るのかは微妙な気がするのだが・・・。
先発の 江川 恭介(東海大相模出身 2年)右腕も、130キロソコソコだが、コースを突く確かな制球力と球の切れには好い物がある好投手。来年は、武道の不動のエースとして君臨することになりそうだ。
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