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2019年夏 甲子園レポート7


大会四日目・第二試合 飯山 VS 仙台育英

仙台育英の先発は、笹倉 世凪(1年)左腕。176/76 だが、仙台育英に過去にもいたような、ちょっとぽっちゃり気味な体格。球速は140キロ前後出ており、ボールにも力がある。変化球もスライダー・チェンジアップを織り交ぜ、投球もある程度洗練されていた。気になるのは、ボールが高めに集まりやすいこと。それでも順調に伸びてゆけば,2年後はドラフト候補に入ってくるような投手に育ちそうな楽しみな選手だった。ちなみにこの選手、打撃にも好いものを持っていそうだった。

派手さはないが、2番手の 大栄 陽斗(仙台育英3年)右腕も好投手。球速は常時140キロ前後(MAX143キロ)ぐらいだが、球威のあるボールを投げ込んでくる。ボールゾーンに切れ込むスライダーを上手く振らせたり、チェンジアップ・緩いカーブなどがあるオーソドックスなタスタイル。コントロールが良く、大学などでも重宝されそうなタイプ。大学などで出力が上がると、制球力・投球術もしっかりしているので、大勝ちできるかもしれない。

飯山の 常田 唯斗(2年)右腕は、130キロ台後半~MAX144キロには高い将来性が感じられた。まだ下半身の粘りがもう一つなので、打者の手元までの勢いが物足りなかったり、スライダーが甘く入る部分は気になる。それでも順調に成長してゆけば、秋以降ドラフト候補としてマークされるはず。凄みを増してゆけば、高校からのプロ入りも意識できる好素材だった。

仙台育英では、1番を打つ 中里 光貴(3年)二塁手の走力が光った。打撃もシュアなだけに、大学などでも異彩を放つかもしれない。その他3番手で登板した 伊藤 樹(1年)右腕は、オーソドックスなフォームから140キロ前後の速球やスライダーなどを織り交ぜ、すでに一定レベルに達している好投手。佐藤由規 も下級生の頃はこんな感じだったので、彼を150キロ右腕に育てたノウハウがハマれば2年後は楽しみ。また最後に投げた 鈴木 千尋(3年)右腕は、140キロ台(MAX143キロ)の球威のある球でガンガン押してくる馬力型。こちらも大学などで野球を続け、先輩の馬場 皐輔(仙台大-阪神)のような存在に育っていって欲しい。

笹倉 世凪(仙台育英1年)投手 176/76 左/左
大栄 陽斗(仙台育英3年)投手 175/75 右/左
中里 光貴(仙台育英3年)二塁 171/63 右/左
伊藤 樹 (仙台育英1年)投手 175/72 右/右
鈴木 千尋(仙台育英3年)投手 174/75 右/右

常田 唯斗(飯山高校2年)投手 181/72 右/右

大会四日目・第三試合 習志野 VS 沖縄尚学

沖縄尚学の2番手・永山 蒼(2年)右腕は、135~140キロぐらいながら力のあるボールを投げ込んでくる。変化球は、スライダー・フォーク・カーブと一通りあり、来年に向けて縦の変化に磨きがかかってくると面白い。コントロール・投球術もそれなりで、総合力は持っている。来年には、沖縄を代表する投手に育っているかもしれない。

一方の 飯塚 脩人(習志野3年)右腕は、選抜の準優勝の経験を経てピンチでも動じずに自分のピッチングができるようになってきた。無理をしなくても140キロ台中盤を叩き出せるようになり、マウンドでの余計な力みも見られない。速球とスライダーという単調で一辺倒な投手との印象が昨秋は強かったが、今やスライダーに加えチェンジアップを多く織り交ぜ、ときにはフォークなども投げるようになって幅が出てきている。大学進学が基本線だろうが、プロ志望届けを提出しても中位~下位ぐらいでならば指名されても不思議ではない。何より評価できるのは、精神面の強さ・安定感にあると言っても過言ではない。この部分では、今年の候補でも最上位クラスの選手ではないのだろうか。

野手では核弾頭の 角田 勇斗(習志野2年)遊撃手が、来年のドラフト候補。試合ではエラーもしていたが、安定感抜群の遊撃守備はドラフト級。気になるのは、右打席から4.45秒前後(左打者換算で4.2秒前後に相当)と平凡なのと、打撃がドラフト候補としては弱い点だろうか。ヘッドスピードは鋭いだけに、何処まで甘い球を逃さない「鋭さ」を来年までに磨きをかけるかに注目したい。

沖縄尚学でも、5番の 崔 哲瑋(2年)左翼手の、ヘッドスピードの鋭さには目を惹くものがあった。台湾からの留学生で、一塁までの塁間も右打席から4.4秒前後(左打者換算で4.15秒前後に相当)するなど、脚力も基準レベル。左翼を守る守備が新チーム以後、センターやライトあたりでアピールできるようになると資質が高そうなだけに面白い。いずれにして来年は、沖縄を代表する強打者には育ってゆきそうだ。

守備では、兼子 将太朗(習志野3年)捕手などは、ディフェンス力で大学で野球を続けられそうな選手。また 水谷 留佳(沖縄尚学3年)二塁手などは、ヒットこそ1本に留まったが打撃の才能に可能性を感じさせてくれた。いずれにしても、上のレベルでも気に留めたい選手たちだった。

永山 蒼 (沖縄尚学2年)投手 177/81 右/右
崔 哲瑋 (沖縄尚学2年)左翼 177/73 右/右
水谷 留佳(沖縄尚学3年)二塁 176/77 右/左

飯塚 脩人(習志野3年)投手 181/78 右/左
角田 勇斗(習志野2年)遊撃 174/68 右/右
兼子将太朗(習志野3年)捕手 182/80 右/右

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

2019年夏 甲子園レポート6


大会三日目・第四試合 敦賀気比 VS 富島

敦賀気比の先発・笠島 尚樹(2年)右腕は、腕の振りが素晴らしい下級生エース。球速こそ130キロ台後半~140キロ台中盤だが、打者の手元まで勢いが落ちないままミットに収まる。変化球も体の近くで小さくキュッと曲がるスライダーに、チェンジアップ系の球種を織り交ぜる。内外角にしっかり投げ分けられるコントロールがあり、特に左打者インコースを厳しく攻めることができる。来年に向けて体が一回り二周り大きくなって球威・球速を増して来ると、来年の上位候補に入ってきても不思議ではない好素材だった。

富島の方では、核弾頭の 松浦 佑星(3年)遊撃手が躍動した。172/68 と体格には恵まれていないが、一歩目の鋭い軽快で広い遊撃守備に、宮崎大会.647厘のハイアベレージを残した対応力の高さも魅力。中でもスピード感を活かし、盗塁を連発した走力は光っていた。さらにキャッチャーと三塁手に挟まれても、投げる瞬間に加速していっきにタッチを掻い潜りホームを陥れるなど、試合感覚の良さはピカイチだった。おそらく大学などに進学することになると思うが、こういったイケイケ系はアマよりプロの方が個性が生きるタイプ。なんか育成あたりならば、チームに混ぜてみたいと思わせる魅力あふれるプレーヤーだった。

敦賀気比では、4番の 木下 元秀(3年)左翼手のパワフルなスイングが目立っていた。高校通算30本塁打を記録し、右に左へと大きな打球を飛ばせる。一塁までの塁間は、4.2秒前後と基準レベル。左翼手だけに守備では目立たないが、肘を痛める前は主力左腕だっただけに肩も悪くはないのだろう。いずれにしても高校からプロというよりは、大学などで資質を伸ばしたいタイプだった。

富島では、黒田 直人(3年)捕手。捕ってから素早い送球で、大きく飛ばしたランナーに鋭い送球で刺しにゆく場面が目立った。またそういったプレーを可能にするのは、視野の広さがあるから。大学などで、キャッチングや打撃が磨かれると面白い存在になりえそうだ。

笠島 尚樹(敦賀気比2年)投手 177/71 右/右
木下 元秀(敦賀気比3年)左翼 182/86 左/左

松浦 佑星(富島高校3年)遊撃 172/68 右/左
黒田 直人(富島高校3年)捕手 170/70 右/左

大会四日目・第一試合 鳴門 VS 花巻東

県大会でも何度かとりあげた 西館 勇陽(花巻東3年)右腕が、3回から登場。少し小さめなテイクバックから投げ込む、右の正統派。球速は140キロ前後~中盤ぐらいで、県大会終盤で魅せた140キロ台中盤~後半を連発したようなリミッターを外したピッチングではなかった。変化球は、スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜてくる。この投手、フォームが合わされやすいのか? このぐらいの球速帯だと苦にポンポンポ~ンと連打を食らうことがあり、相手をねじ伏せるには140キロ台後半を連発しないと厳しいのかもしれない。プロ志望届けを提出すれば、下位指名~育成ぐらいだと思うが、持っている潜在能力は低くない。大化けする可能性を秘めていて、個人的には意外に面白いのではないかとみている。

鳴門の方では、4番の 浦 和博(3年)右翼手が抜けていた。ボールを捉える能力・見極める眼はたしかで、徳島大会では、打率.611厘と打ちまくった。ただしこの選手、長打で魅了するタイプでもなければ、守備・走力が突出しているわけではない。右翼の動きも並で、肩も平凡といった感じだった。走力も、左打席から4.2秒弱と基準レベルぐらい。そのため打撃には良いものがあるが、大学などに進むことになりそうだ。

西舘 勇陽(花巻東3年)投手 184/80 右/右

浦 和博(鳴門3年)右翼 172/74 左/左

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

2019年夏 甲子園レポート5


甲子園大会三日目・第二試合 明徳義塾 VS 藤蔭

この試合の注目は、安田 陸(明徳義塾3年)捕手。1年秋の神宮大会で、チームを優勝に導くなど世代をリードする捕手の一人だった。しかし肩の故障のため、ようやく夏に間に合った形。捕ってはすぐに投手に返球するテンポを大事にする選手なので、一見雑に見えてしまうプレースタイル。しかしキャッチング・ワンバウンド処理はしっかりしていて、ランナーを出せば立ってボールを返すなど基本はできている。リードも考えて行えており、送球以外のディフェンス力は高い。しかし試合では送球の機会がなく、現状の肩の状態はよくわからず。また4番を務める打撃でも、死球・四球・死球・セカンドゴロとよくわからなかった。それだけに次戦で、打撃と送球がどのレベルなのか見極めたい。ただし肩を痛めていたという経緯からも、よほどのことがない限りは、進学して様子をみることになるのではないのだろうか。

そのほか明徳では、1番を打つ 古沢 怜大(3年)中堅手は身体能力が高そうだったが、この試合では地味なヒット一本におさまり絶対値はよくわからず。こちらも、改めて次戦でのプレーで能力を見極めたい。ただしこの試合を観る限りは、高校からプロとかそういった選手ではないように思える。

藤蔭の方も、4番の 塚本 修平(3年)一塁手が、右に左にパワフルな打球が目立った。またこの選手、バウンドするような送球にもうまく拾うするなど、グラブさばきの良さが光った。大学などでも、野球を続けて欲しい選手だった。

安田 陸 (明徳義塾3年)捕手 180/88 右/右
古沢 怜大(明徳義塾3年)中堅 171/76 右/右

塚本 修平(藤蔭高校3年)一塁 171/73 右/右

甲子園三日目・第三試合 国学院久我山 VS 前橋育英

前橋育英の先発・梶塚 彪雅(3年)右腕は、球速こそ135~140キロだったが切れのあるボールを投げ込んでいた。スライダーを中心に投球を組み立ててくるのだが、制球力・間を使った投球術もよく投手としてのセンスが感じられる。大学などで球威・球速が増して来ると、投球の土台ができている選手だけに勝てる投手へと変貌しそう。

野手も、俊足・好守の核弾頭・丸山 大河(3年)中堅手。ボールまわしにセンスの良さを感じさせる4番・須永 志(2年)捕手は、新チーム以後楽しみな存在。またこの試合では、3番の 剣持 京右(3年)二塁手が、ハンドリングの柔らかさを生かして、内角の難しい球をうまく捌いていた。しかし一塁までの塁間が、左打席から4.4秒台と遅かったり、セカンドの守備でもさほどアピールする機会はなく、打つ以外の部分が物足りなかった。タレントの多いチームだったが、いずれも大学などに進んでからといった選手達だった。

国学院久我山では、西東京大会でもパワフルな打撃が目立った 宮崎 恭輔(3年)捕手の打撃が、この試合でも目を惹いた。181/90 のどっしりした体格で、打席での雰囲気が素晴らしい。けして対応力の高いタイプではないが、甘い球ならば逃さないという集中力の高さを感じさせる。

捕手としても一球一球、状況に応じて考えてプレーできるタイプ。リードや洞察力・キャッチングなど、想像以上に捕手らしい選手だった。その一方で大型故に、フットワークやスローイングの流れが重苦しい。二塁までの送球も2.0秒前後と並で、けして地肩が弱いとは思わないが、高校からプロといったそういった素材ではないように思える。

梶塚 彪雅(前橋育英3年)投手 177/76 右/右
丸山 大河(前橋育英3年)中堅 169/64 右/左
須永 武志(前橋育英2年)捕手 179/75 右/右
剣持 京右(前橋育英3年)二塁 180/83 右/左

宮崎 恭輔(国学院久我山3年)捕手 181/90 右/右

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

2019年夏 甲子園レポート4


大会二日目・第4試合 秋田中央 VS 立命館宇治

両校ともに、下級生捕手が目立った試合でした。秋田中央の 野呂田 漸(1年)捕手は、大舞台にも臆さない堂々としたプレーぶりが光っていた。細かいことに気がついたり、投手の気持ちを察してというよりも、ガンガン俺について来い的なリーダーシップあふれるタイプ。塁間1.9秒台前半の送球もまずまずだし、チームですでに5番を担う打球も力強い。2年後には、秋田を代表する野手に育ってゆきそう。

一方の立命館宇治の捕手は、2年生の 浅野 彰久(2年)。こちらはボールまわしからセンスを感じさせるリズムの良さがあり、洗練された捕手らしい捕手。京都大会で打率5割を残すなど、すでに4番を任されている。この試合では無安打に終わり、けして長打で魅了するタイプではないのだろう。高校からプロといった凄みは感じられないが、新チーム以後も攻守の中心としてチームを引っ張ってゆく存在なはず。

秋田中央では、3番の 河野 泰治(3年)右翼手が無安打に終わり、打球は強かったがアピールできず。立命館宇治では、森本 晃太朗(3年)右腕が登板のないまま試合が終了。次戦以降の登場に、期待したい。

野呂田 漸(秋田中央1年)捕手 170/74 右/右
河野 泰治(秋田中央3年)右翼 174/78 右/右

浅野 彰久(立命館宇治2年)捕手 171/72 右/右
森本彰太朗(立命館宇治3年)投手 174/73 右/右

大会三日目・第一試合 米子東 VS 智弁和歌山

智弁和歌山の先発・池田 陽佑(3年)右腕は、選抜のときはチェックも入れずドラフト云々の投手といった印象はない。しかし選抜後の近畿大会では、149キロを記録したと訊いてビックリ。しかし夏の和歌山大会では、また140キロ弱の元の彼に戻っていたように見えた。しかし甲子園では、コンスタントに140キロ台を超えてきて、MAXで148キロを叩き出す。春季大会での評判は、確かだったのだと改めて実感させられた。彼があまり印象に残らないのは、球速は出ていてもストレートが動いているのか?キレイな回転で伸びて来ないのかわからないが、球速ほど速く見えないからではないのだろうか。変化球は、カウントを整えるスライダーと空振りを誘うスライダーを使いわけ、それにチェンジアップやフォークなど一通りの球種がある。コントロールや試合をまとめる能力もある程度あるが、不思議とドラフト候補の匂いがして来ない。おそらくドラフト指名というよりは、有力大学に進んでの成長・実績待ちという形になるのではないのだろうか。またその将来性は、野手ではないかと思えるほど打撃や野手センスを感じさせる一幕もあった。

高校からプロとなると、東妻 純平(智弁和歌山3年)捕手の方か。元々は、高校球界屈指の地肩の強さと智弁和歌山の4番を任される打力のある選手という、打つ投げるなど肉体のポテンシャルの高さが光っていた。しかし細かく指示を出したり、各所作もだいぶ捕手らしくなってプレーの視野が広がってきた印象。攻守のバランスも取れており、今ならば3位前後での指名があっても不思議ではないだろう。

また東妻と共に下級生からチームを支えてきた 黒川 史陽(3年)二塁手や西川 晋太郎(3年)遊撃手は、やはり大学タイプかなといった感想。また1年生ながら4番を任されていた 徳丸 天晴(1年)右翼手は、体格にも恵まれスケール感を感じさせる強打者。地肩も強そうで、2年後はドラフト戦線を賑わせてくれそうだ。

一方の米子東では、岡本 大翔(2年)遊撃手は、189/88 の大型内野手ながら一歩目の反応が鋭い守備は目を惹いた。振り出しも鋭く、強烈な打球が印象的。掛け値なしに、この選手も来年のドラフト候補に入ってくるだろう。

先発の 森下 祐樹(3年)左腕は、130キロ前後ぐらいだがボールに切れがあり遥かに打者は速く感じられたはず。スライダー・ツーシームを織り交ぜ、序盤は智弁和歌山の強力打線を翻弄した。何より、一球一球投げるタイミングを変えるなど頭脳派の一面も。パワフルな打球が目立った 福島 悠高(3年)一塁手と共に、大学などで野球を続けて欲しい選手だった。

また最終回に登板した 小林 樹斗(智弁和歌山3年)右腕は、来年の1位候補。183/79 の体格から、厚みのある速球をグイグイ投げ込んでくる。MAXは148キロに到達し、同じ球速を叩き出した池田よりもしっかり手元までの勢いが落ちない。選抜から来年のドラフト候補なのは間違いないと思っていたが、さらに凄みを増してきた。おそらく次戦は先発だろうから、その投球をみて投球の奥深さを確認したい。

池田 陽佑(智弁和歌山3年)投手 183/84 右/右
東妻 純平(智弁和歌山3年)捕手 172/74 右/右
黒川 史陽(智弁和歌山3年)二塁 182/80 右/左
西川晋太郎(智弁和歌山3年)遊撃 168/68 右/右
徳丸 天晴(智弁和歌山1年)右翼 183/79 右/右
小林 樹斗(智弁和歌山2年)投手 183/79 右/右

岡本 大翔(米子東2年)遊撃 189/88 右/右
森下 祐樹(米子東3年)投手 178/80 左/左
福島 悠高(米子東3年)一塁 185/97 右/右

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

2019年夏 甲子園レポート3


大会二日目第二試合・津田学園 VS 静岡

この試合の注目は、前 佑囲斗(津田学園3年)右腕。立ち上がりはボールがバラついていたものの、130キロ台後半~140キロ台中盤の速球が要所では良いところに決まっていた。特に、あの与田剛(現中日監督)の入団時を思わせるようなスピンの効いた真っ直ぐは、わかっていても高めの球に吊られてバットに当たらない。変化球はスライダーとのコンビネーションで単調ではあるものの、試合中盤から緩いカーブやツーシームなどを織り交ぜ余裕が出てきた。春からの成長は、低めに決まる球も増えてきたこと。まだ球速的にはドラフト候補としては平凡ではあるが、まだまだ良くなりそうな素材としての奥行きもある。また精神的にも、ピンチでも気持ちが揺らがないところも良いところ。ドラフトでも3位前後での指名は期待できるのではないのだろうか。いずれにしてもこの順位での入団でも、将来かなりの確率でプロのローテーションに入ってきそうな好素材だと評価する。

静岡高校では、下級生の頃から世代屈指の外野手と評価してきた 斎藤 来音(3年)右翼手が出場。ヘルニアの手術から5月にようやく復帰した影響で、静岡大会では.211厘と勘を取り戻せていなかった。しかしこの試合では、前の速球をほとんどの打者が捉えられないなか、センター前にきっちりはじき返したり、一二塁間を破ったりと才能の片鱗を伺うことができた。またスライディングキャッチでヒット性の当たりを好捕したり、ライトからの送球も基準以上。しかし左打ちのセンス型だけに、静高の選手であることも考えるとワンクッション置いて大学に進むのではないかというイメージがある。将来性では、先輩の 鈴木 将平(西武4位)外野手より上だと見ているが、よほど本人のプロ志向が強くない限りは有力大学などに行って様子を見るという判断になるのではないのだろうか。むしろ、大学などでどのぐらいの実績を残すのか興味がある。

津田学園では、鋭い打球と球際での守備が光った 3番・藤井 久大(3年)右翼手や、パワフルな打撃と強肩の三塁守備が目立った 前川 夏輝(3年)三塁手は大学などで野球を続けて行ける素材。静高では、軽快な遊撃守備ときっちりはじき返す打撃をする 相羽 寛太(2年)遊撃手が、来年のドラフト候補として秋以降東海地区では話題の一人となって行きそうだった。

前 佑囲斗(津田学園3年)投手 182/87 右/右
藤井 久大(津田学園3年)右翼 167/69 左/左
前川 夏輝(津田学園3年)三塁 178/85 右/右

斎藤 来音(静岡高校3年)右翼 180/77 右/左
相羽 寛太(静岡高校2年)遊撃 177/76 右/右

大会二日目・第三試合 星稜 VS 旭川大高

旭川大高の先発・能登 嵩都(3年)右腕は、立ち上がりから縦に切れ込むスライダー、左打者外角に大きく沈むチェンジアップを武器に星稜打線を翻弄した。球速もコンスタントに140キロ前後刻み、試合途中からは緩いカーブも織り交ぜ的を絞らせない。もう少しストレートに磨きがかかるようならば、この変化球が大いに活かせるはず。獲得に興味を示す球団もあったというが、進学を希望しているという。近年北海道の大学では非常に速い投手が増えているので、そのノウハウをものにして大きく育つこそを楽しみにしている。

一方の星稜の先発は、今ドラフトにおいて 佐々木 朗希(大船渡)と共にドラフトの目玉にあげられる 奥川 恭伸(3年)右腕。立ち上がりから150キロ前後(MAX153キロ)の速球をコーナーいっぱいに決めるなどモノの違いを魅せてくれた。試合序盤に抜けていたスライダーも、イニングの最後にはしっかり調整。速球・変化球の切れとも、高校生離れしている。1位競合は確実なレベルであり、藤浪晋太郎(阪神)以来の高卒ルーキー二桁勝利も久々に意識できる素材だということを改めて実感する。特にこの投手は、精神面の強さに加え、ボールも低めや厳しいゾーンに決められるという技術は素晴らしい。今大会において、最も選手権優勝投手にふさわしい投手といった印象を受けた。

両投手の投球に目が奪われがちだが、両チームの捕手も素晴らしかった。旭川大高の 持丸 泰輝(3年)捕手は、最初の打席こそ見逃さし三振だったが、あとの打席では奥川のボールをしっかり捉える打球には見るものがあった。捕手としても投手や周りに細かく指示をしつつ、ゲームを作って行ける捕手。少々ボールを自分から掴みにゆくキャッチングは気になったが、ワンバウンド処理も素早い上にミットのブレもない。二塁送球の機会はなかったが、一塁への送球みる限り相当な強肩にも見える。また能登の好投を導いたように、リードにも光るものがあった。プロ志望ということだが、指名して来る球団はあるのではないかと思えるほどで、今大会で知った新たなサプライズとなった。

星稜の 山瀬 慎之助(3年)捕手は、ミットのブレないキャッチング・この試合では見られなかったが超高校級のスローイングなど総合力は高校球界でも上位の捕手。そんなに相手の気持ちを察してとか、細かい洞察力は感じられないものの、小学生以来のコンビで以心伝心で奥川とはやりとりできるのであろう。打撃でも下位打線ながらヒットを連発するなど、奥川をなんとか援護しようとする気持ちが伝わった。そういったことができるだけに、派手さはないが仕事はきっちりするだけの打力も持っている。大学進学という話を耳にするように、高校からプロの匂いはしてこない。しかし有力大学などで、世代を引っ張っていって欲しい存在だ。

来年のドラフト候補と注目される 内山 壮真(星稜2年)遊撃手は、小柄ながら4番を任されるようになっていた。長打で魅了するタイプではないが、ボールの呼び込み方がうまく打撃の潜在能力は高い。守備も軽快であり、上のレベルでも二遊間を担える素材。何より、プロ向きのマインドが素晴らしい。来年の上位候補として、その片鱗を示してくれた。なんとなくだが、右と左の違いはあれど、森友哉(大阪桐蔭-西武)のような匂いのする選手だった。

能登 嵩都(旭川大高3年)投手 183/71 右/右
持丸 泰輝(旭川大高3年)捕手 178/76 右/左

奥川 恭伸(星稜高校3年)投手 183/84 右/右
山瀬慎之助(星稜高校3年)捕手 177/85 右/右
内山 壮真(星陵高校2年)遊撃 172/72 右/右

テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

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