2023/06/20|Category:観戦記
大学日本代表を決める平塚合宿。二日目と三日目に紅白戦が行われたので、そこでの印象などを交え注目のドラフト候補たちについて触れて行きたいと思います。
細野 晴希(東洋大4年)投手 180/87 左/左 (東亜学園出身)
今年のアマNO.1左腕という位置づけの存在で、無理なく140キロ台中盤~マイガンでの最速も93マイル・150キロ を記録していました。丁寧に投げようという意志が感じられる最終学年ですが、それでもアベレージの球速、力を入れた時のボールの威力は他の追随を許しません。変化球も、スライダー・チェンジアップ・ツーシームも悪くはありません。ただし、本当のコントロールがないせいか? 決まって欲しい時に決まってくれないもどかしさが残すので、そこまで一年目からプロで大勝ちできるのかな? といった心配はありますが、それでも開幕ローテーションには加わってくるだろうなといった感じがします。秋のドラフト会議では1位指名は濃厚な存在であり、左腕であることも考えると競合しても不思議ではないように思えます。今後一部校との入れ替え戦が控えており、本当の真価が問われることになりそうです。できれば秋は、一部でどのぐらいやれるか見てみたいところです。
尾崎 完太(法政大4年)投手 175/73 左/左 (滋賀学園出身)
投げているボールは良いのに、勝ち味に遅いといった感じのサウスポー。この春のリーグ戦でも、1勝5敗 防 5.45 と一皮むけることができませんでした。この日は、130キロ台後半~MAX89マイル(143キロ)程度と、ボールの勢いや状態自体がリーグ戦より良くなかった感じでした。ボールは左腕らしいキレ型で、カーブ・チェンジアップなどを織り交ぜますが、甘いところに浮いた球を痛打されるなど、制球力甘さを露呈しました。普段の内容からは、2位~3位ぐらい行けるかなとか、リリーフでならばありかなと思わせてくれるところもあるのですが、この日の投球を見てしまうと、中位ゾーン(4位前後)まで下げないと、ちょっと怖いかなといった印象を受けました。秋に、一皮むけたところを魅せられるのかが鍵になります。
草加 勝(亜細亜大4年)投手 182/72 右/右 (創志学園出身)
まだまだ肉体的に成長途上の投手で、それほど見栄えをするボールを投げ込むわけではありません。この日も140キロ前半ぐらいといった感じの球速で、最速で89マイル・143キロほどでした。スライダーにゆるいカーブ・フォークだかチェンジアップ系などを織り交ぜ、試合を作ってゆく先発タイプ。そのためリリーフで2イニングでアピールといった設定では、持ち味が出ないタイプなのかと。特に可も不可もなしといった感じでしたが、投げミスの少ない安定感があり代表に選出されました。しかし、それほど甘くない球をヒットにされていたのは、現状の物足りなさを示していたように感じます。この春は防 0.29 で、秋に続いて最優秀防御率に輝きました。現状ドラフトでは、3位前後といった感じで、肉体的に上積みが期待される数年後にどうなっているのか? といったタイプではないのでしょうか。リリーフだから、ボールが見違えるようにといったタイプではないようです。
松本 凌人(名城大4年)投手 185/90 右/右 (神戸国際大付属出身)
この春は防 5.35 と、リーグ戦で不調に陥り試行錯誤のシーズンだったのかなといった気がします。球速は、常時140キロ台~MAX90マイル(145キロ)ほどだったものの、ボールに力はありました。ただし、以前からそうだったのですが、非常にコントロールがアバウト。それを、ボールの威力とタイミングの取りにくいフォームで翻弄するといったタイプでした。今回は、タメのないオーソドックスな形にしていましたが、タイミング自体はあまり取りにくさは感じませんでした。そういった嫌らしさは薄れたものの、コントロールはそこまで大きく乱すこともありませんでした。彼の最大の良さは、真っ直ぐと見分けの難しいカットボールと、腰砕けになるような曲がりの大きなスライダーやシンカーの類。上手く立て直しを図れれば、プロでもリリーフでなら面白いと思います。1位候補とも言われますが、リリーフタイプでもあり個人的には3位前後あたりの選手ではないかと思います。特にフォームが微妙なバランスの上に成り立っていることと、制球のアバウトさなどの危うさを考えると。ただし、ハマった時のボールの威力・投球は見事です。
2023/06/11|Category:動画更新
この春はどうだったのか気になる、大学生投手達に ついて触れてみました。
2023/06/05|Category:動画更新
都市対抗予選で浮上してきた投手たち について取り上げてみました。
2023/06/04|Category:動画更新
高橋 蒼人(帝京3年)投手の寸評は、こちら です。
2023/06/01|Category:未分類
横浜高校のドラフト候補たちについて触れてみました。
2023/05/21|Category:個別寸評
古謝 樹(桐蔭横浜大)左腕 と 平井智大(駿台甲府)右腕 と 衛藤 冴仁(関東一)捕手 について触れた動画をUPしました。
2023/05/19|Category:動画更新
中里 亮太(24歳・SUBARU)遊撃手の寸評は、こちら です。
2023/05/16|Category:動画更新
最近ちょっと気になる大学生投手達の動画を、上記にUPしました。
2023/05/11|Category:動画更新
ゴールデンウィーク中に気になった、大卒社会人選手たちの動画をUPしました。
2023/05/06|Category:動画更新
坂根 葉矢斗((履正社3年)捕手 の寸評は、こちら から。
2023/05/05|Category:観戦記
世間ではゴールデンウィークに入ったということで、アマチュア野球も多くの試合が組まれております。そんななか千葉に行って、この春話題の 早坂 響(幕張総合3年)右腕を観てきました。
試合途中からの登板だったのですが、投球練習時からボールの勢いが違っていました。球速はコンスタントに145キロ前後を記録し、マイガンでは93マイル・150キロを二度記録。真っすぐの勢いは、間違いなくドラフト級だと感じさせます。ボールはクロスの球筋(右打者には外角、左打者には内角)に真っすぐは決まるものの、高めに抜けることもすくなりありません。逆にスライダーは、高めに抜けたり、低めのゾーンに引っかかり過ぎたりと、この日は真っ直ぐ以外でカウントが取れません。そこを木更津総合打線に狙い打たれた形で、自慢の真っ直ぐを打ち返されていました。
確かに速いことは速いのですが、球威で相手を圧倒するとか、空振りをして当たらないとかいうほどではなく、比較的合わされやすいフォームと、的を絞られやすい配球だったということなのでしょう。素材としての魅力は感じますが、現状は指名があっても育成あたりなのかなといった気はします。ただし、素材としての魅力は強く感じられました。
次に観戦に行ったのも、千葉大会でした。この日のお目当ては、高校球界を代表する韋駄天・菰田 朝陽(拓大赤陵)中堅手。この日に計測した中では、サードゴロの打球で塁間 3.95秒前後とまずまず。その走力の割に盗塁をしない選手との印象がありましたが、この日は盗塁を決めていました。試合前練習での守備では、地肩は並ぐらい。送球の精度や打球勘なども、まだまだ改善の余地があるのかなといった気がします。打撃は、徹底的に足を活かそうという形になっており、この日は一本キレイに三遊間を破るあたりを魅せます。元々独特のハンドリングを生かして、ミートセンスは悪くない選手。プロとなるとひ弱さは未だに感じますが、そのへんはプロで鍛えれば改善されそうな気はします。先程の早坂同様に、足という明確な武器があるので、そういった特徴を買って、育成指名あたりならばしてくる球団があるかもしれません。
今度は、土浦に足を運びました。関東を代表する投手・木村 優人(霞ヶ浦)右腕を確認するためです。スラッとした投手体型の選手で、センスの良さが滲み出てくるような本格派。けして球威で圧倒するタイプではないのですが、ビシッとした真っ直ぐがコーナーにバシバシ決まります。球速も、土浦の速く出るガンでは最速で150キロを記録。マイガンでも、球場の上の方で球速が出にくい状況でしたが、最速で91マイル(146キロ)を記録しました。
その真っ直ぐ以上に目をひいたのが、真っ直ぐと見極めの難しいスライダーのキレ。さらに余裕があると、緩いカーブやフォーク系の球・あるいはカットボールあたりも織り交ぜているようにも見えました。制球力も安定し、マウンドさばきも悪くありません。特にピンチで、この日はじめて声を発して150キロを記録。そのまま力でねじ伏せようにゆくのかと思いきや、スライダーを織り交ぜるなどクレバーな一面も。現状は、まだプロの打者を真っすぐで押し込めるほどの球威は感じられないので、2位・3位ゾーンの評価かもしれません。ただし、夏までにさらに真っすぐの強さ・体の逞しさが出てくるようだと、1位の12名に入ってきても不思議ではないような素材ではありました。非常に、好感の持てる内容ではなかったのでしょうか。
全然予備知識がなく見たのですが、対戦相手の 小森 勇凛(土浦日大3年)右腕も、なかなかの投手でした。オーソドックスな上手投げなのですが、土浦のガンとはいえ初回は140キロ台中盤を連発。最速では、149キロを記録する場面も。マイガンでは、89マイル・143キロぐらいまででしたが、もう少し下の段で計測していたら、140キロ台中盤は記録したのではないかと。
ボールも両サイドに散らすコントロールがあり、要所でも良く踏ん張っていました。変化球は、主にチェンジアップ系の球とのコンビネーション。スライダーも使ってきますが、その頻度は多くないようにみえます。ランナーを背負っても、ボールをじっくり持って走者や打者を焦らすなど、そういった投球術もあります。あまり観ていてドラフト候補といった匂いはしませんでしたが、大学などに進んだら、一年生から起用されそうな完成度があります。それだけに、関東大会でも話題になりそうな選手です。できれば一度、センターカメラからの投球を確認してみたい選手でした。
早坂 響(幕張総合)投手 176/68 右/右
菰田 朝陽(拓大紅陵)中堅 175/71 左/左
木村 優人(霞ヶ浦)投手 184/76 右/左
小森 勇凛(土浦日大)投手 183/83 右/右
2023/05/03|Category:動画更新
西 稜太(履正社3年)中堅手の寸評は、こちらから。
2023/05/02|Category:動画更新
福田 幸之介(履正社3年)投手 の寸評は、こちらから。
2023/04/28|Category:動画更新
堀 柊那(報徳学園3年)捕手の寸評は、こちら です。
2023/04/27|Category:動画更新
盛田 智矢(報徳学園)投手の寸評は、こちらです。
2023/04/25|Category:観戦記
日当 直喜(東海大菅生3年)投手 の 寸評は、こちらから。
2023/04/24|Category:観戦記
球場間をハシゴして、愛知で話題の選手を観戦してきました。最初は小牧の球場に行ったのですが、JR春日井の駅からちょうどよい時間のバスがなかったので、タクシーでむかったら3000円以上かかりました。しかし、先発していたのは、お目当てであった 天野 京介(愛産大工3年)右腕ではありませんでした。しかし、球場についてしばらくして、交代し登板しました。
その天野は、常時130キロ台後半~MAX89マイル(143キロ)。球場のガンでも、144キロを記録します。ビシッとした力のある球で、大きく曲がるスライダーとのコンビネーション。時々、なんやらチェンジアップのような球を交えてくる印象。むしろ、真っ直ぐはドラフト候補としては平均的で、このスライダーの方が目をひく球種かなと感じます。
それほど細かい制球力や巧みな投球術がいったタイプなのですが、右打者の外角にきっちり集められますし、マウンド度胸も悪く無さそう。まだまだ引き出しが少ない感じですが、これは今後増やして行ければいいかなと思います。体も強そうですし、将来的には150キロ台を連発するような馬力のある投球も期待できそう素材。それでも現状は下位~育成ゾーンぐらいだと思いますが、プロ志望届を提出すれば、何かしらの形で指名される公算は高そうです。
小牧の球場を出てタクシーを見つけられればよかったのですが全くいません。時間に合わせて球場を出たのに、他の会社のバス体と間違えて行ってしまい、30分近く 高良 のバス停を待たされることに。一度JRの春日井の駅まで戻ります。そこから、またタクシーに乗って春日井の球場へ。今度は5000円近くかかってしまいました。バス代も含めると、8000円以上現地でかかりました。
それでもなんとか、春日井の第二試合である 享栄と中部大一の試合の序盤に着くことができました。会場についてすぐに、この日のお目当てである 東松 快征(享栄3年)左腕が登場しました。
東松は粗っぽい感じの左腕ではあったのですが、コンスタントに140キロ台の球を投げ込みます。イニングが進むにつれエンジンがかかってきて、最速で92マイル・148キロを記録しました。大雑把ではあるのですが、両サイドにボールを散らすコントロールもあり、四死球を出すという危うさはありませんでした。球威のある真っ直ぐに加え、曲がりながら沈むスライダーがあり、さらに落差の激しいチェンジアップには驚かされました。真っ直ぐ以上に、このチェンジアップが特筆すべき球ではないかと。
イメージ的には、小笠原 慎之介(東海大相模-中日)左腕に近いタイプなのかな?といった感じで、力で押せるパワーとマウンド度胸があり、それでいて変化球の曲がりが好いのが特徴だと思います。球威・球速という意味でも、全国屈指の高校生左腕ではないのでしょうか。ドラフトでも2位までには消えそうだなといった感じで、中途半端な大学生に行くぐらいならば、1位で指名してくる球団があるかもしれません。またボールのキレ・投手としてのセンスなどは、前田 悠伍(大坂桐蔭)などが上だと思いますが、球団によって評価が別れるかもしれません。
ちなみに帰りは、バスが行ってしまい3時間以上次のバスが無さそうなので、駅まで歩くことに。途中からバスの本数が増えるようになり、半分ぐらいのところでバスに乗ることに。歩いたら1時間ぐらいかかる道のりなので、この球場にゆく時は注意して頂きたいと思います。いろいろ散々な遠征ではありましたが、無事目的の選手が見られたのは救いでした。
天野 京介(愛産大工)投手 182/86 右/右
東松 快征(享栄高校)投手 177/83 左/左
2023/04/23|Category:動画更新
鈴木 叶 (常葉菊川3年)捕手 の寸評は、こちら から。
2023/04/21|Category:動画更新
平野 大地(専大松戸)投手の寸評は、こちら です。
2023/04/19|Category:観戦記
東都二部を観に、等々力球場へ。私用を済ませて球場に着いた時は、すでに4回に差し掛かっていました。お目当ては、今年のドラフトでも1位指名が有力視されている 細野 晴希(東洋大4年)左腕。この日は第3戦ということで、普段は130キロ台後半の真っ直ぐを丁寧にコーナー投げ分けている感じで、ランナーを背負ったり要所では力を入れての92マイル・148キロが計測した中での最速でした。変化球は、スライダー・チェンジアップを交える形です。
特に昨秋と変わったところは、相手をみて落ち着いて投球ができていたこと。下級生の頃から実績を積み上げてきた選手だけに、同級生や下級生達相手では、見下ろして投げられる余裕が感じられました。そんな中、油断したわけではないのでしょうが、7回ワンアウトからスリーベースを浴びます。特に点差も、2-1でリードしていた場面だったので、ここでギアを上げなければいつ上げるんだといった場面でした。
しかし、その次の打者には内角を厳しく突こうとして死球を。さらに、ワインドピッチで同点になってしまいます。その後の打者二人を三振で仕留めたのはさすがでしたが、気合が空回りした形でしょうか。この日は、この回で降板することに。まぁボール的にも投球的にも、1位で競合はするのではないかと思います。ただし、今年の目玉か?と言われると、何かそこまで絶対的なものを感じないのは、ボールそのものよりも内面的な部分でしょうか? そういった精神面では、前田 悠伍(大坂桐蔭)の方が魅力は感じられます。今後も何度か観てゆくことになると思うので、いろいろな試合をみて最終的な判断して行きたところです。
等々力~神宮に移動して着いてのは、第二試合の序盤でした。青学の先発は、常廣ではなく、下村 海翔(九州国際大付出身・4年)右腕。この日の下村は絶好調で、低めやコーナーにバシバシ140キロ台後半~150キロ台前半を投げ込む気合の投球。変化球は、スライダー・カーブ・フォークなどで、スライダーは右打者の外角だけでなく、左打者の内角にも厳しく食い込ませます。昨秋などは、序盤は素晴らしくても、試合中盤に掴まるというのを繰り返していましたが、この春は最後まで調子を維持できるまでに成長。中背の体型で、今後の成長だとかよりも、現時点での完成度と気持ちで勝負するタイプです。もう少し観てみないとわかりませんが、なんとなく 則本 昂大(楽天)の大学時代と重なるものがありました。今後も好調を維持できれば、2位前後での指名も期待できそうな内容でした。
第三試合では、武内 夏暉(国学院大4年)左腕が先発。開幕週で力でグイグイ押すピッチングに変貌していて驚かされたのですが、前週はイマイチでした。しかしこの試合では、再び145キロ前後の真っ直ぐにも力があり、スライダーやチェンジアップを織り交ぜてという投球に。立ち上がりこそ失点しましたが、その後は調子をグングン上げて隙を作りません。そんなに繊細なコントロールがあるわけではないのですが、大崩れしないまとまりと制球力があります。今までは、打者としては対峙し難い気持ち悪さの残る軟投派だったのですが、今春は力で押しながら変化球を交える正統派にかわりつつあります。この状態を持続できるようならば、ドラフトでも1位の12名に入ってくるかもしれません。むしろ実戦力という意味では、細野(東洋大)よりも上のような気がします。
また亜大の先発は、草加 勝(創志学園出身・4年)右腕。適度に角度と勢いを感じさせる140キロ台中盤の速球を中心に、スライダー・カーブ・チェンジアップなどを織り交ぜ、危なげない投球をします。そういった安心感は、昨秋の最優秀防御率を獲得したことからも裏付けられています。150キロを記録しても、けして凄みのある球を投げ込むわけではありません。しかし、武内よりもコントロールは繊細で、投げミスが少ないのが特徴。もう少しボールに強さが欲しい気もしますが、その辺がさらに良くなれば、即戦力になりうる選手なのかもと。この選手も、2位・3位ゾーンぐらいではみないと行けない選手、そういった評価になってゆくかもしれません。
第一試合に登板した 西舘 勇陽(中央大)と、この日登板がなかった 常廣 羽也斗(青山学院大)こそ生で観られませんでしたが、東都の誇る有力どころを、生で観られて収穫の多い一日となりました。
細野 晴希(東洋大4年)投手 180/85 左/左
下村 海翔(青学大4年)投手 174/73 右/右
武内 夏暉(国学大4年)投手 185/90 左/左
草加 勝(亜細亜大4年)投手 182/75 右/右
2023/04/18|Category:動画更新
升田 早人(光)投手の寸評は、こちらから。
2023/04/17|Category:観戦記
久々に、平成国際大のグランドにゆきまして、平成国際大 と 山梨学院大 の試合を観戦してきました。今のアマチュア球界で、一番速いのではないかと思われる 冨士 隼斗(平成国際大4年)右腕と、高い身体能力を誇る「フィジカルモンスター」宮崎 一樹(山梨学院大)中堅手の対決がお目当てでした。
それまでの冨士 隼斗(大宮東出身)右腕は、最速で150キロ台中盤を投げ込む粗っぽい豪速球投手とのイメージが強かったです。しかしこの日は、球速こそ91マイル(146キロ)~94マイル(151キロ)とやや球速は抑え気味だったものの、ストライク先行で相手を追い込み制球の不安を感じさせない内容で、イメージが一変しました。真っすぐの威力もさることながら、スライダーを左打者の内角に食い込ませたり、外角のボールゾーンからストライクゾーンいっぱいに入れてくるバックドアを魅せたりと、自分の意図した配球で試合が組み立てます。
他にも、チェンジアップ系の球や、狙って落とすシンカー系の球もおりまぜ三振の山を築きます。ピンチになれば、投げるタイミングを変えたり、ボールを長く持ったりして相手を焦らしたりしますし、フィールディング・牽制・マウンドさばきも想像以上のレベルにあり、素材型といった荒々しさを感じさせずにビックリ。松山合宿の投球とは、全然印象が違ってました。課題は、試合中盤ぐらいからボールの威力が落ちてきたように、本当の意味での体力に改善の余地がありそうです。それでもこの投球を、上武大や白鴎大のような全国レベルの相手にできるようだと、2位以内では指名されるだろうなといった感じで、この日の内容だけでいえば、1位指名の声が上がっても不思議ではほどのものがありました。
また、この春の日体大とのオープン戦で、ビックリするような本塁打を放っていた 宮崎 一樹(山梨学院大)中堅手。大学日本合宿である松山合宿では、50メートル走で最速ラップを叩き出すほどの走力。センターから返球も、精度こそまだ不安定な部分はありますが、その強肩ぶりには目を見張るものがあります。そういった、純粋な 走力・地肩・飛距離 は桁違いの素材で、まさに「フィジカルモンスター」といった感じがします。
その一方で、松山合宿の時にも感じたのですが、レベルの高い投手相手だと、まだまだ対応が苦しそうに見えます。3打席目に、ボールの勢いが鈍ってきた冨士から、左中間にツーベースを放ちました。しかし、プロの一軍投手のスピードへの順応・変化球のキレに対応するのには、数年は時間がかかろうだろうなと感じがします。また、時間が解決してくれるのであれば良いのですが、それが根本的に改善可能なレベルにあるのか?見極めてゆく必要がありそうです。それでも、昨秋はリーグ戦で6割のハイアベレージを残した選手ではあるので、ちょっとレベルが落ちる相手だと圧倒的な打力を示せるということなのでしょう。
また、意外と強打者の割に好い意味での大雑把さがなかったり、それでいて細かいところまで追求しているのか? というほどのものは観ていて伝わってきません。フィジカル的にはプロでも一級品だと感じさせる一方で、持ち前の身体能力を活かすセンスがあるのか微妙なような気がしました。この日は、ものすごい強風で守備も難しかったと思いますが、打球勘やキャッチング、あるいは盗塁技術なども含めて不安が残る部分もあり、あまりに高く評価しすぎるのは怖いなという思いが残りました。こちらは、高い資質を期待しての3位前後ぐらい評価が、現状は無難なように感じました。それでも、有力な外野手が少ない今年のドラフト戦線においては、高校生~社会人含めて最上位クラスの存在であるのは間違い無さそうです。今後も引き続き、秋まで見極めてゆきたいところです。
冨士 隼斗(平成国際大)投手 181/85 右/右
宮崎 一樹(山梨学院大)中堅 181/75 右/右
2023/04/15|Category:動画更新
高橋 煌稀(仙台育英3年)投手 と
山田 脩也(仙台育英3年)遊撃手 の寸評は、こちらからです。
2023/04/13|Category:未分類
岩井 聖(龍谷大平安3年)投手 と
仁田 陽翔(仙台育英3年)投手 の 寸評は、こちらです。
2023/04/11|Category:動画更新
山口 翔梧(龍谷大平安3年)遊撃 と
南川 幸輝(大阪桐蔭3年)捕手 の寸評は、こちらです。
2023/04/09|Category:動画更新
昨日行われた神奈川春季大会 日大藤沢 VS 鶴嶺 戦で気になった選手について取り上げた動画をUPしました。
2023/04/08|Category:動画更新
森岡 大智(能代松陽)投手 の 寸評は、こちらです。
2023/04/06|Category:動画更新
BC栃木で気に選手たち と 南恒誠(大坂桐蔭)投手について の動画を上記にUPしました。
2023/04/05|Category:動画更新
BC武蔵で気になる選手たちについてと、前田 悠伍(大坂桐蔭)投手について触れた動画を上記にUPしました。
2023/04/04|Category:動画更新
真鍋 慧(広陵3年)一塁手の寸評は、こちら です。
2023/04/03|Category:動画更新
仲田 侑仁(沖縄尚学3年)一塁手の個別寸評は、こちらの方にあります。